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機動戦士ガンダムSEED DESTINY the oath

作者:wig
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戦火の兆し act2

 
前書き
タイトルって難しいですね。 

 
「状況はどうなっている!?」

プラント最高評議会議長であるギルバート・デュラダルはその端整な顔を厳しく引き締めながら、このミネルバのブリッジに入室してくるなり訪ねてきた。
思わぬ来客にメイリンは驚きの表情を浮かべる。

「...ご覧の通りです」

そう答えた艦長は内心、厄介なことになったと思っているのだろう。顔をしかめながらモニターを指し示した。
モニターのなかでは強奪された3機とインパルス、リバティ、ザクが激しい戦闘を繰り広げていた。
デュランダル議長はアーモリー・ワン内部に発生した有害ガスから退避しつつ、状況を確認する為にミネルバへと訪れたそうだ。
事態は思ったより逼迫しているのであろう。とてもじゃないが報告を待っていられる状況ではないようだ。

議長と艦長がなにやら話をしているが、メイリンはその話の内容なんて何も入ってこなかった。彼女はただ姉達の搭乗してるMSがやられないことを祈りつつ、ただモニターを見守り続けていた。
その時、アビスとカオスの放ったビームが外壁を撃ち破り、外へと離脱していってしまった。さらにそれらを追いかける様に、インパルスが、その後リバティやザクまでもが外へと行ってしまった。

「あいつら!何を勝手に!外の敵艦はまだ...」

副長が驚きの声をあげる。

「インパルス、リバティのパワー危険域です!最大であと300!」

メイリンは艦長へと報告をしながら、彼らへと通信を試みる。

「お姉ちゃん!聞こえる!?応答して!!...シン!ゼラ!?...ダメです。電波障害激しくMS隊との通信途絶しました」

議長達の顔がさらに険しくなるなか、艦長が立ち上がり、何かを決意したように告げた。

「彼らを見殺しにはできません。ミネルバを発進させます!」

司令部とのコンタクトがとれない今、彼らの援護に行けるのは自分達をおいて他には居ない。
議長が了承をしたのを確認し、メイリンはすぐにコンソールを操作する。

「ミネルバ緊急発進シークエンススタンバイ!本艦は戦闘ステータスへ移行します!コンディションレッド発令!コンディションレッド発令!」

コンディションレッド、その警戒レベルはミネルバが戦闘を実施する事を意味していた。
艦内に向けアナウンスをしていたメイリンは現実味をあまり感じていないままCICとしてアナウンスを続ける。  

「システムコントロール要員に伝達。現時点をもってLHMーBB01ミネルバの識別コードは有効となりました」

発進シークエンスが進行するなか、メイリンはもどかしさを感じていた。大幅に各種行程が省略されている緊急発進シークエンスではあるが、早く姉達の援護へ向かいたいメイリンにとっては1つ1つの行程がもどかしい。

「ミネルバ緊急発進シークエンス進行中。A55M6警報を発令。ドッグダメージコントロール要員は待機願います」

ミネルバが固定されていたアームが外れ。コロニーの地面が。宇宙へと繋がる扉が開いていく。

「発進ゲート内減圧完了。艦長、いつでも行けます!」

「機関始動!ミネルバ発進する!」


宇宙へ繋がる最後の扉、ハッチが解放されミネルバはその船体を宇宙へと放り出した。

「索敵急いで!インパルス、リバティ、ザクの位置は!」

艦長のタリアが声を緊張感をもった声で指示を飛ばす。索敵担当のバートがハッとしたようにモニターを確認し、艦長へ報告をする。

「インディゴ53、マーク22ブラボーに不明艦1!距離150!」

艦長によりその敵艦はボギー・ワンというコードネームを割り振られた、やはりアーモリー・ワンのすぐそばに潜んでいたらしい。
メイリンもすぐさまボギー・ワンのいる宙域へ索敵を絞る。

「同157マーク80アルファにインパルス、リバティ、ザク!交戦中のもよう!」

「呼び出せる?」

「ダメです!以前電波障害激しく。通信不能!」

「敵の数は?」

「1機です。でもこれは...モビルアーマーです!」







『くそっ!...あいつらいったい何処にっ!?』

『シン!いったん戻りましょ?』

「ルナマリアの言う通りだ。こんな当てずっぽうで探しても見つかるはずがない」

勢いで飛び出してきたが、Nジャマーの影響でレーダーも当てにならない中、目視で敵機を探すには宇宙空間は暗く、そして広すぎる。
シンもそれは分かっているのだろう。モニターに写った彼の顔は苦虫を噛み潰したようだった。

『さて、シンも落ち着いたようだし。戻るとしますか!』

『なっ!?何言ってるんだよ!俺はずっと落ち着いてっ!』

2人の痴話喧嘩を聞きながらゼラも戻ろうとした時だった。突如全身を悪寒のようなものが駆け巡った。
その感覚はゼラ自身でも正体は分からないが、段々と悪寒が強くなり、気付けば二人に向かって叫んでいた。

「シン!ルナマリア!今すぐ散開しろ!!」

『え?ゼラ?何を言って...』

そう呟きながらシンは怪訝そうな表情を浮かべたが、ゼラが本気なのを悟ったのだろう、機体をその場から退避させたが、ルナマリアは一瞬反応が遅れてしまう。
こちらにビームが撃たれているのを認識した時にはルナマリアは回避も防御も間に合わないタイミングだった。

「ボサッとしてんじゃねぇ!」

間一髪のところ、ゼラのリバティがカバーに入り、シールドでビームを防いだ。 

『ゼ、ゼラ...ありが「礼なんざ後で良い!次が来るぞ!」』

次の瞬間、3機のすぐ横をマゼンダ色をした見たこともないMAが駆け抜けていった。シンがすぐさまビームライフルで撃ち落とそうと狙いを定めるが、別方向からビームの雨が襲ってきた。

『どこから!?』

「落ち着け!こいつはドラグーンだ!止まってたら蜂の巣にされるぞ!数は3...いや4機ある!」

そう言いながらゼラは背後にあったガンバレルをビームライフルで撃ち抜いた。何故だか分からないが何処にガンバレルが居て、何処に動くのか。感覚的にゼラは把握していた。

「2人は回避と防御に専念しろ!俺が全部堕としてやる!」

2人からの返事はないが、防御と回避で精一杯なのだろう。ゼラは2機目のガンバレルをビームライフルで破壊しつつ、敵本体のMAへ向けファイアビーからミサイルを発射する。それらは全て回避されるが想定内だった。
回避した先にビームライフルの照準を合わせ。敵機をロックオンすると同時にトリガーを押した。

「これで終わりだぁ!」

しかしビームライフルからは何も発射されなかった。次第にリバティの機体もグレーから鉄色へと変わっていく。パワー切れだった。

「クソッ!」

通信器からシンとルナマリアの心配する声が聞こえてくる。既に敵から放たれたビームがこちらに迫ってきているが、パワー切れのリバティではどうすることも出来ない。

「(っち!気付くのがあと0.1秒でも早ければな...終わる時はこんなにあっさりかよ...)」

ゼラは覚悟を決め、目を瞑る。

「(せめて最後にアイツに会いたかったな...あぁ、ラウ今そっちに...)」

覚悟を決めたゼラだったが、自身を貫くはずの光はいつまでたっても来なかった。

『何諦めてんのよぉー!!』

目を開けると、ルナマリアの搭乗するザクがリバティの前に飛び込んできてシールドでビームを防いでいた、そしてそのままビームトマホークを構え敵本体のMAへ向けフルスロットルで突っ込んでいく。

『シン!ゼラのカバーよろしく!』

『わ、わかった!』

ルナマリアはMAと2機のガンバレルから放たれるビームの雨を全て回避し、すれ違いざまにガンバレルをビームトマホークで叩き切り、さらにその勢いのままビームトマホークを投擲して残る1機のガンバレルをも破壊した。
その光景を見ていたゼラは生きている事に安堵しつつ、あまりの理不尽さに顔を引きつらせた。

「おいおい、ルナマリアって本当に人間かよ?」

『本当に、ザクであんな機動どうやってるんだろーな?』

シンも同じ意見だったのだろう。いや、こんなの見せられたら誰しもそう思うだろう。

『あんた達!後で覚えてなさいよ?』

モニターには恐ろしい笑顔を浮かべたルナマリアが映っていた。どうやら敵は撤退していったらしい。そりゃああんな鬼神のごとき動きを見せられたら敵も尻尾を巻いて逃げるだろう。

その時前方から巨大なグレーの戦艦が見えてきた。

「ミネルバ...」

あちらもこちらを捕捉したのだろう。帰還を意味する信号弾が打ち上げられた。

「やれやれ、全くとんだ初出撃だったな」

ゼラはそう呟き、インパルスに連れられてミネルバへと戻っていった。










ミネルバへ着艦後、ゼラはMSが格納されているハンガーに居た。まだコンディションレッドが解除されてない事から、ミネルバは戦闘を継続しているのだろう。万が一のためハンガーに待機していた方がいいと思い、整備班達の邪魔にならないよう端で待機していた。
退屈しのぎに整備の様子を眺めていると、ルナマリアがこちらへやってきた。

「あら?こんなところでサボりかしら?」

「違う。コンディションレッドがまだ解除されていないからな、いつでも出撃できるように待機しているだけだ」

「...本音は?」

「独断専行して敵を追撃し、挙句の果てにパワーダウンしちまったからな...ブリッジに行ったところであのババアからの説教フルコースだろうよ」

「はぁ、それでここでサボってるわけね」

ジト目でこっちを見てくるルナマリアに居たたまれなくなる。そういえばシンの姿が先ほどから見当たらない、アイツも別のところでサボりだろうか?

「そういやシンは?」

「シンなら1人でどっか行っちゃったわよ。よっぽどあの3機を取り逃がしたのが悔しかったのか、もうずっとピリピリしちゃって...」

「あー、そりゃしばらくそっとしといた方が良いやつだな」

アカデミーの頃からだが、シンは自己嫌悪に陥るとなかなか面倒なことになる為そっとしといた方が良いというのがゼラ達同期メンバーの見解だ。まぁ例外としてルナマリアならば宥めたりできるかもしれないが...

ルナマリアとそんな雑談をしていると、突如として大きな揺れが船を襲った。

「きゃあぁぁぁ!!」

吹っ飛びそうになるルナマリアを支えつつ、ゼラ自身も近くの手すりに捕まり吹っ飛ばされないようにする。
まるで戦艦の主砲が直撃したかのような衝撃だった。ハンガー内のあらゆる機材が宙を舞っており、まるでミキサーにかけられたかの様だった。

「くっそぉぉぉ!!」

混乱の最中、そんな怒鳴り声が聞こえてきた。見るとシンはインパルスのコックピット内に乗り込んでいた。
確かにこの状況ではいつスクランブルがかかるか分からない。

「ルナマリア!大丈夫か?」

「えぇ、ありがとう...さっきの声シンよね?」

「アイツならインパルスのコックピットだ。俺たちも行くぞ」

「えぇ!そうね」

ルナマリアも気合いを入れ直したのだろう。その顔には先程のおちゃらけた雰囲気は無かった。
ゼラも何事もないことを祈りつつ、リバティへと向かった。









ミネルバのブリッジ内では、タリアが忌々しげに為息を吐き、先の振動でずれた帽子をかぶり直していた。

「やってくれるわ!こんな手で逃げようだなんて...」

ボギー・ワンは船体の一部を分離、ミネルバの船首へぶつけてきた。恐らく分離したのは予備の推進材だろう、船体のダメージはほぼ無いが、その衝撃は凄まじいものだった。こちらが体勢を立て直している間に離脱してしまった。
敵はかなり手強い部隊のようだ。そんな敵にザフトの最新鋭機である、カオス、アビス、ガイアが渡ってしまう危険性をタリアは良く理解していた。
ユニウス条約が締結された今、MSの保有制限があるなかで高性能な機体はその1機だけでも、両軍のパワーバランスを覆し得ないのだ。それが1度に3機も渡ってしまったら...タリアは意を決したように議長へと振り返った。

「今からでは下船することもできませんが、本艦は引き続きあれを追うべきと思います。議長のご判断は?」

「私の事は気にしないでくれたまえ、艦長」

デュランダル議長は温厚そうな笑みを浮かべながらそう答えるが、すぐにそれは深厚そうな表情へと変わってしまった。

「私だってこの火種。放置すればどれほどの大火になって戻ってくるか、それを考えるのが怖い。あれの奪還、もしくは破壊は現時点で最優先責務だよ」

「ありがとうございます」

タリアは議長の了承を得られたことに安堵しながら、クルー達へ指示を出し、コンディションをレッドからイエローへと変更し、ブリッジの遮蔽を解除した。
タリアも肩の力を抜き、議長へと微笑みかけた。

「議長も艦長室でお休みください。ミネルバも足自慢ではありますが、敵もかなりの高速艦です。すぐにということはないでしょう。メイリン、ご案内して」

「は、はい!」

メイリンに議長の案内を頼んだその時、モニターにルナマリアが写る。何故だかすごく嫌な予感がした。

『艦長、戦闘中のこともあり、ご報告が遅れました』

「どうしたの?」

『実はゼラが...』

タリアの長きに渡る苦悩がここから始まったのであった。








ミネルバの艦長室ではオーブの代表としてカガリと、ボディガードとしてアスランー今はアレックス・ディノがデュランダル議長と面会を行われようとしていた。
彼女らは議長と会談中に今回の騒動に巻き込まれ、退避も出来ない状況の中、ミネルバへと乗り合わせてしまった。
そして今、議長と今後の事について話し合いが行われるのかと思いきや...

「あなたにはザフトの軍人である自覚はないの!?」

「...申し訳ございません」

「彼女はオーブの国家元首!VIPなのよ!?それを...大体あなたはいつもそう!後先考えずに...」

「...申し訳ございません」

頬にガーゼを張りつけたゼラの全く感情の無い声でそう答える、話を聞いているのか分からないその様子にとうとうタリアは椅子から立ち上がった。

「まぁタリア、それくらいにしてあげないか?彼だって知らなかったようだし。戦闘の後で疲れているだろうしね?」

目の前ではタリアによるゼラへの説教大会が繰り広げられていたが。流石に見かねたのか、議長が止めに入っていた。
タリアもそれを受けて少し落ち着いたのだろう。カガリ達に謝罪をし、席に着いた。

「本当に...お詫びの言葉もない」

「いや、まぁ...」

議長がカガリに対して謝罪を行うが、カガリも歯切れの悪い受け答えになってしまい、二人の間に気まずい空気が流れる。

「議長、では私はこれで失礼します。代表とも今後について色々と話し合いをせねばなりませんでしょうし...私が居てはままならないでしょう?」

この男は反省という言葉を知っているのだろうか?しれっとそんな事を言いながら退出しようとする。

「まぁ待ちたまえ。もしよろしければ艦内を少しご覧になっていただこうと思っていてね。ゼラには是非とも案内を頼みたいのだが」

「はっ!」

そう敬礼したゼラは先程までとは異なり、いきいきと返事をする。

「しかしあまり艦長を困らせてはダメだよ?落ち着いたらきっちり艦長と話し合わなくてはね」

瞬間、ゼラの顔がまた絶望に染まった。










「オーブのアスハだって!?」

ハンガー内にシンの声が響き渡った。
シンは先程の戦闘で援護してくれていたザクに乗っていたのが、あのカガリ・ユラ・アスハだとルナマリアから聞かされ耳を疑った。

「うん。私もビックリした。こんなところでオーブの姫様に会うとはね!...でもそれよりゼラがね」

「ん?ゼラがどうかしたの?」

さっきまでいきいきと話していたルナマリアの顔が急に曇る。

「オーブの姫様にナンパしたの...」

シンは意味が分からなかった。いや、元々頭のおかしいヤツだとは思っていたが、1国の軍人が他国のVIPを口説くなんてCE史上初の出来事だろう。
アカデミーの頃から言われていたが、黙っていればイケメンというのが、同期からのゼラの評価だった。
パイロットコースの連中はあいつの中身を間近で見ていた為、ゼラとお近づきになろうという女性は居なかったし。
他のコースの人間であっても、付き合いが長くなればなる程、ゼラ自身のぼろが露呈しまっていた。

「...まぁゼラだから。アイツなら...まぁ、うん。それで?その後どうなったんだ?」

「もちろん!私がお灸を据えてやったわよ!」

拳を握り、満面の笑みを浮かべながらそう語るルナマリアを見て、もうルナマリアの前でバカをやるのは辞めようと。そう誓ったシンであった。

ルナマリアとシンが話していると。ハンガーに議長やアスハ代表達がやってきた。その先頭にはたった今話題に上がっていたゼラが居た。
ここからでは何を話しているかは聞き取れないが、アスハ代表が議長に抗議しているようにも見える。
次の瞬間、ハンガー内にアスハ代表の声が響き渡った。

「だが!我々は誓ったはずだ!もう悲劇は繰り返さない!互いに手をとって歩む道を共に選ぶと!!」

その言葉を聞いた瞬間、シンの中で何かがキレた。

「流石、綺麗事はアスハのお家芸だな!!」

シンはとびっきりの侮辱を、憎しみを言葉に乗せ、言いはなった。

「シン!?ちょ、ちょっと...」

「おい!このバカ!!」

その場に居たルナマリアとゼラが慌ててシンを宥めようとするが。あまりの唐突な言動にどうしたら良いのか分からない様子だった。

『敵艦捕捉。距離8000!』

その時、艦内にアナウンスが入る。
シンの発言に凍り付いていた整備班のスタッフ達が、一瞬で動き出した。まるで先程の出来事を無かったかのようにするように。忘れるように。

しかし、カガリだけはシンの瞳の奥にある憎しみの炎を忘れる事ができずに、その場に立ち尽くしていたが。ゼラに促され、その場を後にした。










「シン、まぁ色々とあるだろうが...とりあえず戦闘に集中しろよ?まぁルナマリアが居るし問題ないか!」

『何よそれ?私の心配はしてくれないわけ?』

ゼラはリバティのコックピット内で待機しながらシンとルナマリアへ通信をいれる。シンのメンタルが心配だった。
ルナマリアも気を使ってくれたのだろう。明るく返してくれた。

『...二人ともごめん、やっぱり俺...オーブが、アスハが...』

シンは悔しそうな、やるせなさそうな表情をしている。アイツの過去は確かになかなか乗り越えられるものでは無いだろう。しかし...

「おい、いつまでもウジウジしてんじゃねぇよ。俺達がしっかりしなきゃミネルバは沈むんだぞ?」

俺の言葉にシンはハッとする。

『ゼラの言う通りね。私達でミネルバを、皆を守りましょ?』

ルナマリアも諭すようにシンに言葉をかける。
シンは暫く目を瞑る。やがて覚悟を決めたのか、再び開いたその眼には憎しみではなく、決意の炎が灯っていた。

『2人とも...あぁ、やってやるさ!』



『インパルス、発進スタンバイ!』

さぁ、戦闘開始だ。アーモリー・ワンの雪辱を晴らそうとゼラも意気込む。

このとき彼らはまだ知らなかった。ミネルバは狩る立場ではなく、狩られる立場だと言うことを。 
 

 
後書き
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