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夢幻水滸伝

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第三百二話 南部掌握その二

「そしてや」
「相手の勢力伸長を防ぐ」
「そこで衝突してもな」
 それでもというのだ。
「退ける、今は攻めへんが」
「それでもですね」
「敵が攻めてきたらや」
 五大湖の方がというのだ。
「その場合はや」
「返り討ちですね」
「そうする、そしてや」
「そのうえで、ですね」
「南部の諸州をや」
「掌握していきますね」
「勿論そちらの掌握も進める」
 テネシー州だけでなくというのだ。
「同時にな」
「テネシー州掌握に重点を注ぎつつ」
「そうするで、テネシーにはわしもな」
 メルヴィル自身もというのだ。
「必要とあれば向かうしな」
「そうしてですか」
「兎に角テネシー州はいの一番にや」
「掌握ですね」
「そうするんや、あの州を掌握すればな」
「五大湖の方は勢力を拡大出来ません」
 ボームもビールを飲みつつ言ってきた、彼は今はその酒を大ジョッキで次から次に飲み干している。そのうえで言っているのだ。
「少なくともアメリカの東部では」
「そやな」
「西からはトウェイン君が凄まじい勢いで勢力を拡大していて」
「西部を統一しようとしてるな」
「アメリカの」
「そのトウェインとぶつかるか」
 アメリカ西部に覇を唱えんとする彼と、というのだ。
「若しくはや」
「ワテクシ達とですね」
「戦うか、ただあっちもな」
 メルヴィルは今度は五大湖の方を話した、今意識している勢力である彼等のことを。
「今はな」
「内政に必死ですね」
「あそこもあそこでや」
「やることが多くて」
「勢力拡大は二の次になってる」
「我々より余裕はないですね」
「その状況でや」
 内政に必死と言っていいまでに力を注がなくてはならないというのだ。
「こっちにどう向かうか」
「それはですね」
「難しいやろ、その状況も見てな」
「ワテクシ達はですね」
「まずはテネシーや」
「あの州を掌握して」
「南部の諸州をな」
 そちらもというのだ。
「掌握する、そして完全に掌握して」
「そのうえで、ですね」
「そこで得た力でな」
「五大湖と戦いますね」
「そうする、そうなったらこっちはアメリカ五十州のうち二十州を掌握して」
「対する五大湖は五洲」
「今連中はケンタッキー、オハイオ、インジアナ、イリノイ、ミシガンを完全に掌握してるけどそれ以上させんとな」
「二十対五ですね」
 ボームも言った。
「州の数で四倍」
「人工でもな」
 そちらでもというのだ。
「おおよそや」
「そうなりますね」
「大体こっちは二十州で三億二千万ある」
「兵はおおよそ一億で四十万」
「それだけ用意する」
 この世界での市民の中での将兵の割合はそれ位が標準となっている、それ以上になると国政の他の分野に負担がかかりかねないのだ。 
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