夢幻水滸伝
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第三百一話 優しきギャングその十三
「あきませんので」
「人として」
「そうなのですね」
「フォークナー様としては」
「そうです、平和で無体はしないで平等に」
この三つを言うのだった。
「そうやないとあかんというのがです」
「フォークナー様のお考えですね」
「何とお優しい」
「素晴らしいです」
「そう言ってくれると嬉しいです、優しさだけでは生きていけへんでも」
それでもというのだ。
「優しさがないとです」
「人としてどうか」
「そうなりますね」
「優しさは必要ですね」
「人には」
「そうも思いますので」
だからこそというのだ。
「私は優しさを忘れない様にです」
「されていますか」
「それで今も言われ」
「実際にそうされるのですね」
「これからも」
「そうです、そうした教育もです」
家庭でというのだ、起きた世界の。
「受けていきますので」
「だからですか」
「ではその様にされますね」
「これからも」
「こちらの世界でも」
「そうします」
実際にと言ってだった。
フォークナーは穏健な統治を行っていった、それは時として手ぬるいと言われることもあったが善政となって出ていてだ。
彼は勢力を順調に拡大させかつ勢力圏内を豊かにさせていった、そうしてフロリダ州の統一もだった。
平和的に行われた、だが彼は統一した時にまた言った。
「今の時点の私ではやはり」
「フロリダ州で、ですか」
「北の諸州の州境の街や村も入ってきていますが」
自分の勢力にとだ、マイアミの市長に話した。
「そやけどです」
「今のフォークナー様ではですか」
「これ以上はです」
「勢力を拡大されませんか」
「積極的には」
そうだというのだ。
「これからは」
「そうですか」
「はい、それに」
「それに?」
「他の星の人と戦って」
この場合のことも話した。
「そのうえで勢力を拡大させることも」
「考えておられないですか」
「そんなことはとても」
それこそというのだ。
「考えられません」
「そうですか」
「そやからこれからどうするか」
それはというのだ。
「考えられません」
「そうなのですね」
「果たしてどうするか」
「他の星の方とは」
「これまでは中南米の諸君とは友好的で」
インファンテ達と、というのだ。
「仲良くしてきましたが」
「これからはですか」
「はい、テキサスのデリーロ君とも友好的で」
「何も問題は起こってないですね」
「ほんまに平和ですが」
「これからはわからないですか」
「戦をしてまでというのだ」
そうしての勢力拡大はというのだ。
「民に迷惑もかかりかねへんので」
「避けたいのですね」
「はい」
実際にというのだ。
「そう考えています」
「そうですか」
「はい、どうしたものか」
真剣に考えそうしてだった。
彼は将来のことを考えていた、暫くそうしている間にメルヴィルの方からホーソーンが来た、そして彼と話したうえで彼の勢力に入ったのである。
第三百一話 完
2023・4・8
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