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夢幻水滸伝

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第三百一話 優しきギャングその十二

「政に力を注がせてもらいます」
「宜しくお願いします」
「我々もそれを望みます」
「平和にことが進むことを」
「これからも」
「平和が一番です」
 フォークナーは穏やかな声でこの言葉を出した。
「まことに」
「全くです」
「まさにその通りです」
「平和が第一です」
「何と言っても」
「私もそう思います、平和でなくとも」
 それでもというのだ。
「平和にしたいです」
「そうでないのならそうする」
「努力して」
「そうされるのですね」
「そうしていきます」 
 このことを約束して実際にだった。
 フォークナーは自身の勢力の拡大を平和的に進めていった、マイアミを拠点にして州の街や村に使者を送ってだった。
 降ればよくそれで降らずともだった。
「攻められないのですね」
「勢力に入ることを断っても」
「それでも」
「またあらためて使者の人に言ってもらいます」
 フォークナーは官吏達に会議室で穏やかな声で述べた。
「暫く経ってから」
「左様ですか」
「時が経てば考えも変わる」
「だからですね」
「そうです」
 まさにというのだ。
「自分から降ってくれるかも知れへんですし」
「その時は断っても」
「それでもですね」
「後で考えが変わる」
「降らなかった街や村も」
「はい、攻めてくれば迎撃しますが」 
 そうするがというのだ。
「そうやないとです」
「今は攻めない」
「降るのを待つ」
「そうなのですね」
「私は急ぐ性分でもないので」
 平和的でかつというのだ。
「そやからです」
「その為ですね」
「使者を送り」
「それで降ればよし」
「降らなくとも待つ」
「そうします、あと敵と戦って捕虜を得ても」
 その場合のことも話した。
「犯罪者やないですから」
「無体はしない」
「丁重に扱うのですね」
「捕虜として」
「それは絶対です」 
 何と言ってもというのだ。
「さもないとです」
「駄目ですね」
「人として」
「そうなのですね」
「命は大事にせんとあきません」 
 牧師の様な穏やかでかつ優しい口調で話した。
「そうですさかい」
「それで、ですね」
「捕虜は跡で軍に迎えるのですね」
「他の星の方々がそうされている様に」
「そうです、そして翔平は平等にです」
 かつて敵だった者達もというのだ。
「将兵としてです」
「遇する」
「そうされるのですね」
「敵であった将兵達も」
「そうです。さもないとです」 
 その穏やかで優しい声での言葉だった。 
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