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夢幻水滸伝

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第三百話 優しい地獄の番犬その十四

「よくないっすね」
「それが政です」
「灰色は白と考えてです」
「ことを進めないとです」
「何かと問題が出ます」
「そうっす、それでっす」
 まさにというのだ。
「私もやっていくっす」
「それはいいことです」
「白か黒かではなくです」
「灰色もあり」
「灰色は白」
「そうお考えになられるべきです」
「そうっす、あと間違ってもっす」
 セリューはこうも言った。
「魔女狩りはっす」
「行わないことですね」
「その様なことは」
「疑わしいというだけで処罰する」
「そうしたことは」
「この世界にもその言葉があるのには驚いたっす」
 魔女狩りというそれはというのだ。
「そうしたことがなくても」
「言葉としてあります」
「疑わしいというだけで捕まえ裁判にかける」
「そして結論ありきで処刑していく」
「そうしたものだと」
「あれをやれば何もかもが崩壊するっす」
 セリューは強張った顔になって述べた。
「政として」
「その通りです」
「魔女狩りは世の中をそうしてしまいます」
「疑わしいというだけで捕まえますと」
「必ずそれを悪用する輩が出ます」
「相手を陥れたりしまして」
「密告も出て来るっす」
 まさにというのだ。
「そして世の中がどんどん荒んでいくっす」
「左様ですね」
「だからセリュー様はお嫌いですね」
「そして魔女狩りもされないですね」
「左様ですね」
「そうしていくっす、グレーゾーンは白にして」
 そしてというのだ。
「魔女狩りもしない、そうしてっす」
「これからもですね」
「政を進めていかれますね」
「そうされますね」
「そうするっす」 
 こう言ってだった。
 セリューは政も進めていった、そうして遂に沿岸部の諸都市も全て掌握して州を統一した。するとだった。
 セリューはそこからは本当に勢力を拡大させなかった、エミリーとホーソーンの勢力が北にあったが。
「いや、そろそろっす」
「中立条約を結ぼうとお考えでしたね」
「そうだったすから」
 ケルベロスに統一の後で拠点にしたローリーの官庁の執務室で話した。
「エミリーさん達からお話がきてっす」
「まさに渡りに舟でしたね」
「そうだったっす」
 笑顔で言うのだった。
「よかったっす、それで南っすが」
「サウスカロライナ州等ですね」
「もう勢力は拡大しないっすから」
「進出されず」
「ノースカロライナ州の政に専念するっす」
「そうされますね」
「しかし問題はこれからっす」 
 考える顔になってだ、セリューは自分の席から横に座って控えているケルベロスに話した。 
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