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夢幻水滸伝

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第三百話 優しい地獄の番犬その十一

「どうもっす」
「器をですか」
「感じるっすよ」
 こうケルベロスに言うのだった。
「私のそれを」
「ご主人は非常にです」
 ケルベロスはそう言う主にこう返した。
「立派にです」
「務めを果たしているっすか」
「はい」 
「そうっすか」
「しかしですね」
「器の限界を感じるっす」
 これがセリューの言うことだった。
「最近どうにも」
「左様ですか」
「私は精々ノースカロライナ州だけの器っす」
「お一人では」
「そうっす、アメリカを統一するとなると」 
 ノースカロライナ州だけでなくというのだ。
「そこまでになるとっす」
「どうにもですか」
「無理っす」
「それでは」
「州の統一は果たすっす」
 それはというのだ。
「そうさせてもらうっす」
「それからは」
「考えるっす」
「それ以上の勢力拡大はですか」
「するつもりはないっす」 
 ケルベロスに言うのだった。
「そうするっす」
「それがご主人のお考えですね」
「そうっす、それにアメリカも星の人が多いっすね」
「二十人以上の方がご出身です」
「それで活動しているっすね」
「そのうち二十人の方がです」
 それだけの者達がというのだ。
「アメリカで活動されています」
「私を含めてっす」
「そうです、では」
「これはという人達とっす」
 アメリカで活動している、というのだ。
「一緒にっす」
「動いていかれたいですか」
「最近そうも考えているっす」
「そうなのですね」
「そうっす、州の統一を果たしたら」
「勢力拡大はですね」
「本当に考えていないっす」
「セリュー様の手に余る」
「そう考えているっす」
 真面目な顔で返事をするのだった。
「どうにも」
「そうお考えでしたら」
 ケルベロスも反対しなかった、声にそれが出ていた。
「その様にです」
「すべきっすか」
「はい、確かにお一人ではです」
「星の人でもっすね」
「何故星の方が天地人七十二人ずつおられ」
「神星の人が十八人いるかといったらっす」
「それだけの人がです」 
 まさにというのだ。
「おられる理由はです」
「それだけの人が必要ということっすね」
「この世界を救うには」
「そうっすね、そう思うとっす」 
 セリューはまさにと話した。
「私一人ではっす」
「ノースカロライナ州だけですか」
「一人ではそうっす」
 その程度という言葉だった。 
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