夢幻水滸伝
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第三百話 優しい地獄の番犬その十
「戦力としてはです」
「一番っすね」
「その最大の戦力をです」
それをというのだ。
「用いることがです」
「一番っすね」
「ご主人様ならです」
ケルベロスは確かな声で話した。
「敵の攻撃、それこそ巨人やドラゴンでもです」
「敵ではないっすか」
「はい、何体来ても」
それでもというのだ。
「大丈夫です」
「そやからっすね」
「降らない街や村を攻める際もです」
「私が出るのが一番っすね」
「最も効果的に攻められ」
それが出来てというのだ。
「勝利もです」
「得られるっすね」
「はい」
まさにというのだ。
「その通りです」
「そやからっすね」
「是非です」
ケルベロスはさらに言った。
「戦われるべきです」
「そうしたら被害が出ないっす」
「軍を率いても、ただ」
「軍を率いて戦うこともっすね」
「時には必要です」
「戦は一人では出来ないっす」
セリューもこう言った。
「そうっす」
「その通りです」
「そうっすね」
「軍勢同士の戦もです」
「してるっす」
「賊の征伐にしても」
こちらもというのだ。
「それをです」
「しているっす」
「そうです、軍同士の戦もです」
「すべきっすね」
「ですからそのこともです」
「やっていくっす」
「お願いします、では」
ケルベロスは目の前にある街の城壁を見た、そしてだった。
街の城壁の中央にある城門に対して三つの首からブレスを吐いた、それは毒のブレスであり強酸程ではないが城門を腐食させ。
そして溶かした、そのうえで城門を開いた。セリューはそれを見て自身が率いる将兵達に対して話した。
「ほなっす」
「はい、進軍ですね」
「これより」
「そうしますね」
「それと共にっす」
城壁の上で城門が突如として溶けたことに驚愕している敵兵達を見つつ話した。
「使者も送るっす」
「わかりました」
官吏、スケルトンの彼が応えた。
「それでは」
「これからっす」
「話をしてきます」
こう話してだった。
使者は実際に街に入った、そしてだった。
街から返事を持って帰ってきた、その返事は降るというものだった。セリューはその返事を聞いてにこりと笑った。
セリューはノースカロライナ州を順調に掌握していき内政も進めていった、その内政で州は確実に豊かで安全になっていた。
だが次第にだ、彼女はこんなことを言う様になった。
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