夢幻水滸伝
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第三百話 優しい地獄の番犬その六
「セリュー様はお酒がお好きですか」
「大好きっす」
あっさりとだ、セリューは答えた。
「何を隠そうっす」
「そうなのですね」
「だからウイスキーもです」
「先程からストレートで」
「どんどん飲むっす」
「そうなのですね」
「お酒は趣味の一つっすよ」
笑ってこうも言った。
「トレーニングと子供達と遊ぶことにっす」
「お酒がですか」
「私の趣味っす」
こう言ってまた飲むのだった。
「だからっす」
「今もですね」
「飲むっすよ」
「ちなみに私実は甘党で」
ケルベロスが出て来て三つの首から舌を出して言ってきた。
「神具なので食べる必要はないですが」
「それでもっすね」
「果物やお菓子がです」
そうしたものがというのだ。
「大好きです」
「そうっすか」
「あと音楽も」
こちらもというのだ。
「大好きです」
「芸術家っすか」
「いや、ただ好きなだけで」
それだけでというのだ。
「それで、です」
「食べて聴くだけっすか」
「そうです、ですから今もです」
「この音楽っすね」
「ジャズですね」
蛇の尻尾を横にぱたぱたと振りつつ話をしている、普通の犬の尻尾ではないが頭の蛇まで上機嫌そうになって振られている。
「そうですね」
「そうっす、そのジャズもっすか」
「いいと思っています」
「それはいいっすね、では後でドーナツを注文するっす」
セリューはケルベロスに笑顔で応えた。
「その時一緒に食べるっす」
「はい、それでは」
「共に食べるっすよ」
「有り難うございます」
「では宜しくお願いします」
あらためてだ、市長は言ってきた。
「これから」
「わかったっす、ではまずはっす」
「ノースカロライナ州の統一にですね」
「かかるっすよ」
笑顔で応えてだった。
セリューは旗揚げをしてそのうえでアシュビルを拠点にして動きはじめた、すると旗揚げと同時にアシュビル周辺の街や村がだった。
自分達から進んで降ってきた、そしてセリューが降る様に使者を送るとこれまただった。
それぞれの街や村が降った、こうしてセリューは忽ちのうちにノースカロライナ州の西の端の部分州の西部でいうとその半分をだった。
瞬く間に掌握した、するとだった。
「内政の量が凄いっすね」
「はい、それはです」
「やはり避けられません」
「勢力が拡大するとです」
「政としてもやるべきことが増えます」
官吏達がセリューに話した。
「そうなります」
「内政全般がです」
「やることが多くなります」
「街や村が増え」
「人口もそうなりましたので」
「そうっすね、街や村だけでなく」
セリューも話した。
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