夢幻水滸伝
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第三百話 優しい地獄の番犬その二
「街を悩ます近くの山賊達の討伐に」
「参加したいっす」
「そうですね、ではお願いします」
「冒険者登録をしてっすね」
「そのうえで参加願いを出して下さい」
「ほなそうさせてもらうっす」
セリューは笑顔で応えて書類上の手続きをした、だが今度は軍服を着た狼人の男が来て彼女に言ってきた。
「星の方が出られたとは」
「今日のことっすが」
「討伐隊に参加して頂けますね」
「今その願いが受理されたところっす」
「それはわかりましたが」
男はそれでもとさらに言った。
「実は市長にもです」
「お話がいったっすか」
「はい」
男はそうだと答えた。
「そうなりました」
「そうっすか」
「それでなのですが」
男はセリューにあらためて言った。
「今から市長に会って頂けますか」
「市長さんとっすか」
「そうしたいとです」
「市長さんが言われてるっすか」
「はい、ですから」
その為にというのだ。
「如何でしょうか」
「いや、私只の高校生っすが」
セリューは思わず起きた世界でのことを話した。
「アメリカから日本に来ている」
「それはそちらの世界のことで」
「ああ、この世界では違うっすね」
「星の方です」
男は言い切った。
「ですから」
「世界を救う者の一人っすからか」
「そうです、そうした方が出られたとなると」
この世界にというのだ。
「市長もです」
「お会いしたいっすか」
「そうせずにいられません」
絶対にという言葉だった。
「ですから」
「そうっすか、ではっすね」
「はい、案内させて頂きます」
「ここは受けるべきです」
ケルベロスも言ってきた。
「やはり」
「そうっすね」
セリューはケルベロスのその言葉に頷いた。
「何か凄くお会いしたい感じっすし」
「それでは」
「宜しくっす」
セリューは軍人に言ってだった。
市長の下に案内してもらった、市長はこの時市庁舎の自身の部屋にいた。するとそこにはスコーンの妙齢の女がいた。
市長はケルベロスを連れたセリューが部屋に入るとだ、すぐに席を立ってそのうえで彼女に言った。
「来て頂き何よりです」
「あの、私に何かお話が」
「はい、このステータスは」
市長も彼女のそちらを見て言った。
「間違いないです、有り難いです」
「有り難いっすか、ただ」
ここで市長にだ、セリューは言った。
「まだ挨拶が」
「そうでしたね」
言われてだ、市長も頷いた。そして。
二人はここで握手をした、そのうえで。
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