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夢幻水滸伝

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第三百話 優しい地獄の番犬その一

               第三百話  優しい地獄の番犬
 セリュー=プーゾはこちらの世界に来て声からこの世界とこの世界での自分のことを言われた。そしてだった。
 これからどうしようかと思った時にすぐ左にだった。
 三つの首と鬣の様に首回りに無数の蛇を生やし尻尾も蛇という漆黒の犬が出て来たのを見て思わず言った。
「ケルベロスっすね」
「はい、セリュー様の神具です」
 ケルベロスはセリューに忠実そうな声で答えた。
「以後お見知りおきを」
「わかったっす、それでっすが」
「はい、これからですね」
「私の考えわかるっすか」
「読唇術で」
「ああ、唇動いていたっすか」
「人は種族の違いがあれど」
 それでもというのだ。
「どうしてもです」
「考えているとっすね」
「唇が動くので」
 それでというのだ。
「それを見れば」
「考えもわかるっすね」
「左様です、それでなのですが」
 ケルベロスはセリューにあらためて言った。
「今我々はノースカロライナ州アシュビルにいます」
「州の西の方っすね」
「そしてこの街は今近くの山にいる山賊達に悩まされています」
 この状況であることも話した。
「それで、です」
「ああ、山賊退治にっすね」
「参加されるべきです」
「冒険者で編成される討伐隊に参加してっすね」
「そしてです」
 そのうえでというのだ。
「それを行う街の軍隊と共に」
「山に行ってっすね」
「山賊達を倒し」
 そしてというのだ。
「そこでまずはです」
「私の力を知ってもらうっすね」
「星の方がおられると」
 今この場にというのだ。
「そうすべきです」
「そうっすね」
「はい、では」
「わかったっす、まずは冒険者ギルドに行って」
 このアシュビルのとだ、セリューは微笑んで答えた。
「そして冒険者登録をしてっす」
「そのうえで討伐隊に参加されて下さい」
「そうするっす」
「山賊達はこの世界では幾ら武装しても並の者達です」
 彼等の力はというのだ。
「星の方であられるセリュー様にとって何でもないものです」
「力が違うっすね」
「山賊は所詮ならず者達であり」 
 そうした者達に過ぎずというのだ。
「世界を救われる星の方々にとっては」
「敵としては何でもないっすね」
「それではです」
「まずはっすね」
「冒険者ギルドに行きましょう」
「わかったっすよ」
 笑顔で応えてだった。
 セリューはケルベロスと共にアシュビルの冒険者ギルドに赴いた、そこでまずは冒険者登録をしようとすると。
 受付のハーフエルフの若い女は彼女のステータスを見て目を丸くさせて彼女に問うた。
「あの、まさか星の方でしょうか」
「あれっ、わかるっすか」
「そのステータスで」 
 まさにそれを見ての言葉だ。
「すぐに」
「そうっすね」
「そうです、あの」
 受付の女は仰天した声でさらに言った。 
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