夢幻水滸伝
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第二百九十九話 さらなる勢力拡大へその十五
「そうですさかい」
「わし等ともか」
「実はどないしよかと思ってました」
「わし等に加わるかどうかか」
「若しくはトウェインさんか」
カルフォルニア州から勢力を拡大させている彼か、というのだ。
「そう考えてましたが」
「そこでか」
「はい、メルヴィルさんがホーソーン君を送ってくれたので」
それでというのだ。
「これは渡りに舟かと思ったら」
「そこでやな」
「はい、ホーソーン君のお話を聞いたら」
「わし等の勢力に入ったらどうかってもんでか」
「これはと思いまして」
「入ってくれたんやな」
「そうです、戦は避けられへんでも最後の最後で」
あくまでというのだ。
「それで、です」
「出来る限り平和にやな」
「それが私の考えなんで」
「話が来てその相手がまともやとか」
「それならとなりまして」
それでというのだ。
「この度です」
「来てくれたか」
「返事を持って来て」
「そうか、ほな歓迎のパーティーや」
笑顔で言ってだった。
メルヴィルは新しく入ったフォークナーを加えそのうえでマンハッタンの自身の官邸の庭においてだった。
バーベキューをワインやビールそれにバーボン等を入れてパーティーをはじめた。そうしてであった。
ここでだ、彼は牛肉を食べつつ言った。
「さて、飲んで食べながらな」
「そうしながらですか」
「そや、セリューちゃんとフォークナーから話を聞きたい」
ヴォネガットに答えた。
「そうしたい」
「そうですか」
「どやろか」
「はい、よかったらお話させてもらうっす」
「そうさせてもらいます」
セリューもフォークナーも笑顔で応えた。
「おもろいお話やないと思いますが」
「そうさせてもらうっす」
「ほなな」
「いや、本当に対したお話やないっすが」
セリューはソーセージを食べ赤ワインのグラスを持ちつつ言った。
「お話させてもらうっす」
「私もです」
フォークナーは大きな豚肉を豪快に食べてビールを大ジョッキで飲んでいる、そのうえでの言葉である。
「隠すことやないですし」
「ほなな、こっちも話すしな」
メルヴィルはバーボンをロックで飲み牛肉を食べながら応えた。
「聞かせてくれるか」
「宜しくっす、では先にお話するのは」
「ジャンケンで決めたらどや」
メルヴィルはこう提案した。
「ここは」
「そうですね」
フォークナーはそれはと応えた。
「ではそうして」
「決めるっす」
二人も頷いてだった。
まずはジャンケンをした、そして。
セリューが勝ち彼女はメルヴィルに顔を向けて言った。
「では私からっす」
「話してくれるな」
「そうさせてもらうっす」
「ほなな」
メルヴィルも他の仲間達も笑顔で頷いた、こうしてまずはセリューがバーベキューパーティーの中で口を開いたのだった。
第二百九十九話 完
2023・3・23
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