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夢幻水滸伝

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第二百九十九話 さらなる勢力拡大へその六

「ほんまに思うっす」
「そやねんね」
「やっぱりお父さんが憲兵隊なので」
 起きた世界の話をした。
「そのせいで」
「しかも海兵隊の憲兵となりますと」
 ボームは真顔で言った。
「あの鍛えられた荒くれ者達の中で」
「そのお父さんから教育を受けてやな」 
 メルヴィルも言った。
「それでやな」
「警察関係に強いですね」
「そうやろな」
 こうボームに応えた。
「やっぱり」
「そうでしょうね」
「ほなな」
 メルヴィルは決断した様な声で言った。
「セリューちゃんはメインはな」
「警察関係ですね」
「それと賊やモンスター退治をな」
 こちらもというのだ。
「やってもらうわ」
「そうしてもらいますね」
「ああ、ただな」
 メルヴィルはセリュー本人にも顔を向けて話した。
「賊やモンスターで降ったモンはな」
「はい、迎え入れるっすね」
「悪党は悪党でもな」 
 それでもというのだ。
「罪が軽くて改心するんやったらな」
「受け入れて戦力にするっす」
「そうしていくことや」
「私もそうしていたっすよ」
「ああ、ノースカロライナでな」
「悪人は許さないっすが」
 それでもというのだ。
「改心するならっす」
「ええな」
「そう思ってるっす」
「それでそうしてきたな」
「はい、ただどうも私は頭に血が上るところがあるっす」
 セリューは反省した様にして言った。
「そこは気を付けていくっす」
「セリューちゃん外道見たら許せんってなるね」
 彼女と親しいジェーンが言ってきた。
「確かに」
「それほんま気を付けてるっすが」
「その場で切り捨てたりとか」
「ケルベロスと一緒に倒してるっす」
「起きた世界でも向かっていこうとしたり」
「ついついそうしてしまうっす」
「向こう見ずな考えはあかんさかい」
 ヴォネガットはどうかという顔で述べた。
「気を付けて欲しいですね」
「そうっすね」
 ヴォネガットに自戒している声で応えた。
「そこは」
「悪を憎む気持ちは大事でも」
「頭に血が上ってはっす」
「取り返しのつかないことになります」
「ほんまそうしたことになったこともっす」
「ありましたか」
「子供の頃に相手を怪我させたり」
 そうした行いに憤り手が出た結果である、セリューは骨折させてしまった相手が泣いていたことを今も覚えている。
「そうしたことがあったっす」
「そうした奴はあくまで」
「法でっすな」
「取り締まり裁くべきで」
「リンチは駄目っす」
「はい、それは無法です」
 ヴォネガットは強い声で話した。 
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