夢幻水滸伝
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第二百九十九話 さらなる勢力拡大へその四
「後はです」
「自分が行くとやな」
「そうするとです」
それならというのだ。
「ええですね」
「そやな、やっぱり知り合い同士でな」
「しかも仲がええと」
「話はすぐに済むな」
「そうですね」
「今実感してるわ」
メルヴィルは笑ってしみじみとした調子で述べた。
「わしもな」
「外交も全くの他人同士でするより」
「縁があったなら」
「そして友達同士なら」
「それなら」
そうだとすると、というのだ。
「かなりです」
「上手くいくな」
「ほなですね」
「ああ、行ってくれるな」
「そうします」
確かな声でだ、ジェーンも応えた。そうしてだった。
ジェーンがノースカロライナ州に行って戻って来ると鼠人の少女も一緒だった。それでその少女が言ってきた。
「これから宜しくっす」
「自分から来たんかいな」
「はい、ジェーンちゃんに移動の術を使ってもらって」
それでとだ、その少女セリュー=プーゾはメルヴィルに笑顔で答えた。他の仲間達もその場にいる。
「それで、です」
「来たんかいな」
「それで帰る時はっす」
「自分の移動の術でやな」
「帰らせてもらうっす」
やはり笑顔で言う。
「そうさせてもらうっす」
「そやねんな」
「それはお家に帰ることでして」
見ればセリューの横には三つ首の漆黒の犬がいる、首の周りに鬣の様に無数の蛇が生えていて尻尾も蛇である。
「これからは」
「はい、一緒に世界を救わせて下さいっす」
笑顔でだ、セリューはメルヴィルに言った。
「そうした意味で宜しくっすよ」
「仲間になってくれるんやな」
「そうっすよ」
やはり笑顔で返事をした。
「これからは」
「何か普通に仲間になってくれたな」
メルヴィルは少し意外といった顔で述べた。
「どうも」
「いや、実は私ノースカロライナ州を統一したっすが」
セリューは自分から言った。
「しかしっす」
「それからはか」
「もう自分の器の限界を感じていたっす」
「そやったか」
「私一人ではっす」
それならというのだ。
「もうノースカロライナ州がっす」
「限界か」
「統一して統治して」
そしてというのだ。
「じっかんしたっす」
「そこでかいな」
「はい、限界とっす」
その様にというのだ。
「実感してっす」
「それでか」
「これからどうすようかと考えていたっす」
「それでそこにかいな」
「暫く統治をしていたっすが」
「わしが使者を送ってきてか」
「これが機会と思ってっす」
それでというのだ。
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