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夢幻水滸伝

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第二百九十九話 さらなる勢力拡大へその一

                第二百九十九話  さらなる勢力拡大へ
 エミリーとホーソーンの話を聞いたメルヴィル達は大きく頷いてから言った。
「そうか、三つの州を統一してわし等と戦うまでにそんなことがあったんやな」
「そうです」
 エミリーが答えた。
「今お話した通りに」
「自分等にも物語があったんやな」
「こっちの世界で」
「それでそれが終わってか」
「はい」
 まさにというのだ。
「今に至ります」
「わし等の勢力に入ったな」
「そうです、ほなあらためて」
「ああ、これから一緒にやってこうな」
「宜しくお願いします」
「お互いな」
「さて、お話が一段落しましたが」
 ボームが言ってきた。
「勢力圏を治めて」
「そのうえでその勢力圏の拡大や」
「それにかかりますね」
「そた、それでや」
 メルヴィルも応えた。
「これからどう勢力を拡大させるか」
「それが問題です」
「わし等のな」
「それでワテクシとしては」
 ボームはいつもの気取ったポーズで述べた。
「お二人のお話で出て来た」
「セリューちゃんやな」
「彼女がいるノースカロライナ州にです」
 そちらにというのだ。
「今度はです」
「勢力を拡大させるんやな」
「そうすればジョージア州までこれといった勢力はアパラチア山脈以東にはないです」
「そやな、所謂建国当初の諸州にはな」
 メルヴィルは起きた世界のアメリカの州の事情から応えた。
「今わし等以外の星のモンの勢力それにな」
「州を統一している勢力はありません」
「サウスカロライナ州とジョージア州にはな」
「それで、です」
「今度はやな」
「ノースカロライナ州かと」
 この州だというのだ。
「勢力を拡大すべきは」
「もう一つ道があるやろ」
 ここでメルヴィルはこう言った。
「今アパラチア山脈の話が出たけどな」
「その西ですね」
「そや、あの山脈を超えてな」
 そうしてというのだ。
「五大湖南岸のや」
「諸州に進出ですね」
「東部の諸州の豊かさはかなりやが」
「五大湖に接している諸州もですね」
「ミシシッピー川の河口にもあってな」
「水運もあります」
「そやさかいな」
 だからだというのだ。
「あそこに進出する手もあるな」
「それはあります」
 ボームも否定しなかった。
「確かに。そやけどです」
「あちらの諸州はな」
「ルイス君達三人の星の者が盤石の基盤を築いています」
「それで六つの州を統治してるな」
「結構な勢力であり」
「こっちに来る気配もないな」
「彼等もアメリカの統一を目指しています」
 そのルイス達三人の星の者もというのだ。 
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