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夢幻水滸伝

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第二百九十八話 艦上の会談その十

「ただ我々の財政は健全です」
「しっかりと産業育成やインフラに使われています」
「教育や福祉、軍事にもです」
「独裁者個人の贅沢等に使われておらず」
「汚職も少ないです」
「汚職な、あれはちゃんと給料払ってたらな」
 公務員達にとだ、エミリーは述べた。
「かなり減るって聞いてたけど」
「ほんまやな」
 ホーソーンも続いた。
「それは」
「そやな、お給料で生活出来てたらな」
「そこに規律の教育しっかしてるとな」
「もうそれでな」
「汚職はかなり減るわ」
「そやな」
 エミリーはホーソーンの言葉に頷いた。
「まあ袖の下は何処でもあって」
「取り締まってるけどな」
「そして見付けたら処罰してるけど」
「わい等の勢力はかなり少ないみたいやな」
「お給料も払われているので」
 マミーの女の役人が言ってきた。
「このこともです」
「健全か」
「そやねんな」
「そう言っていいです」
 こう二人に話した。
「我が勢力は」
「そやねんな」
「わい等は健全な財政やねんな」
「常に逼迫してても」
「それでも」
「左様です、やがて内政に使った分は返ってきます」
 そうなるということも話した。
「ですから逼迫していてもです」
「健全やとか」
「まだええか」
「そうかと、ではです」
 さらに言うのだった。
「これからもです」
「ああ、財政は苦しいが」
「政にちゃんと使ってくわ」
 二人はこう答えてだった。
 そのうえで逼迫した財政状況に四苦八苦しながらも政は進めていきウエストバージニア州を掌握していった、そうして実際にこの話から一月位でだった。
 二人はウエストバージニア州を全て掌握した、二人でこのことに喜び早速州全体の内政を進めていったが。
 ここでだ、二人に深刻な脅威が迫った。その脅威はというと。
「そうか、メルヴィルさん達がか」
「遂にか」
「はい、北部の幾つもの州を完全に掌握され」 
 報告をする若い士官が答えた。
「星の方もです」
「メルヴィルさんを入れて四人」
「結構な勢力になって」
「それでやな」
「わい等に向かってきそうやな」
「はい、どうもです」 
 エルフの若い女の士官はさらに話した。
「南下の兆しを見せています」
「これまでペンシルバニア州の国境は警戒してたけどな」
 エミリーはその目を鋭くさせて述べた。
「そやけどな」
「こっちは攻めるつもりなかったしな」
 ホーソーンはそのエミリーに言った。
「全く」
「それよりもウエストバージニア州の掌握やった」
「そのことばかり考えてたな」
「それで三つの州の周りの掌握とな」
「周りの勢力への警戒とな」
「とてもや」
 エミリーは真顔で話した。
「他の勢力、メルヴィルさん達との戦なんてな」
「考えてなかったわ」
「とてもな、しかしな」
「攻めて来るならな」
 それならとだ、ホーソーンは言った。 
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