| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

夢幻水滸伝

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二百九十八話 艦上の会談その二

「ほんまな」
「エミリー様としてもですね」
「戦になることは避けたい」
「どうしても」
「そうお考えですね」
「これまでもそやったし」
 ペンシルバニア州統一を進める中でもというのだ。
「これからもやし」
「だからですね」
「この度もですね」
「戦は避ける」
「最低限としますね」
「そうしたいわ」
 是非にという言葉だった。
「そういうことでな」
「はい、これよりですね」
「会談に挑まれますね」
「そうされますね」
「そうするで」 
 こう言ってだった。
 エミリーはホーソーンとの会談に赴いた、そしてだった。
 海を進んでいった、その艦の位置の報を空を飛んでいた者からの貝殻での通信で受けてそれでだった。
 ホーソーンは自身が乗る戦艦の艦橋で将兵達に告げた。
「ほなこれよりな」
「はい、合流ですね」
「エミリー様と」
「そうしますね」
「そしてな」 
 それでというのだ。
「こっちからボートを出してな」
「あちらの艦に入りますね」
「そうしますね」
「この度は」
「ほんまは艦同士で接舷させてな」
 ホーソーンは自分の理想も話した。
「そのうえでまずはそれぞれの艦からな」
「挨拶をする」
「それからですね」
「こちらが移り」
「それでお話をしたいところでしたね」
「そやけどな」
 それはとだ、ホーソーンは今度は難しい顔になって話した。
「艦同士を接舷させることは難しい」
「はい、実に」
「お互いが動いていますし」
「港への出入港も難しいですが」
「こちらはお互いに動きも合わせてなので」
「さらに難しいです」
「そこで事故なんて起こすとかな」
 それこそと言うのだった。
「あかんからな」
「そうですね」
「ではですね」
「この度は」
「そうするで」
 ホーソーンは戦艦同士の接舷はその難易度から諦めた、そのうえでエミリーの乗艦に信号で連絡をしたが。
 それを受けてだ、エミリーは自分が率いる将兵達に言った。
「私が行くつもりやったが」
「あちらからと言われるなら」
「ホーソーン様の方から」
「それならですね」
「ここで断わって自分からと言ってもな」
 それでもというのだ。
「お互い知った仲やしな」
「起きた世界ではですね」
「エメリー様とホーソーン様は」
「だからですね」
「そや、もうな」
 それこそと言うのだった。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧