夢幻水滸伝
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第二百九十八話 艦上の会談その一
第二百九十八話 艦上の会談
ホーソーンが自身の水軍の戦艦に乗り込み出港したほぼ同じ時にだった。
エミリーも自分の水軍の戦艦の中にいた、そこで将兵達に告げていた。
「ほなこれよりな」
「はい、出港し」
「そうしてですね」
「ホーソーン様と合流し」
「そのうえで会談ですね」
「それに入るで」
こう言うのだった。
「ええな」
「はい、それでは」
「出港しましょう」
「今より」
将兵達も応えた、こうしてだった。
エミリーも海に出た、そこで彼女は用意された部屋でまずはくつろいだがここで部屋で共にドーナツとコーヒーを楽しむ同乗している官吏達に話した。
「今回の会談次第でや」
「最初から手を結ぶかまずは戦になるか」
「そのどちらになるかですね」
「そのことが決まりますね」
「そうなりますね」
「そや、出来れば戦は避けたい」
エミリーは自分の考えを率直に述べた。
「やっぱりな」
「会談でことが済めばですね」
「無闇に血は流れませんし」
「多くのお金も使いません」
「それに越したことはないですね」
「最悪一対一の勝負で済めば」
一騎打ち、ホーソーンとのそれでというのだ。
「ええけどな」
「若し戦になろうとも」
「それでもですね」
「それでことが済むのなら」
「それがいいですね」
「ああ、軍勢同士の戦はな」
それに陥ることはというのだ。
「ほんまな」
「避けたいですね」
「どうしても」
「そうなることは」
「絶対に」
「ホーソーン君は好戦的なモンやない」
起きた世界での彼の性格を言った、そしてこの世界でも彼はそうした性格であることは聞いている。
「それで私もな」
「左様ですね」
「好戦的ではないですね」
「決して」
「左様ですね」
「戦をするのは最後の最後や」
あくまでというのだ。
「どうしても避けられん」
「戦をせねばならない」
「そうした時のみですね」
「無闇に振るうとお金ばかり使ってな」
そうなってというのだ。
「どうにもならんわ」
「それが武力というもので」
「みだりに使うものではないです」
「戦も政の中にあるもので」
「政は何かとお金がかかるものなので」
「そや、それに血が流れる」
エミリーはこのことも話した。
「例え術や道具で生き返らせることは出来ても」
「その時寿命ならば死にます」
「もう生き返れません」
「流石に戦に出る若い命で寿命はそうはないですが」
「それでも怪我もしますし」
「血が流れることは事実です」
「そうなるさかいな」
だからだというのだ。
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