夢幻水滸伝
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第二百九十八話 艦上の会談その三
「今更やし」
「ではですね」
「ここはですね」
「会談をされますね」
「この艦において」
「そうするわ、それでな」
エミリーは将兵達にさらに話した。
「出来れば会談でな」
「ことを決める」
「そうされますね」
「ホーソーン様と」
「そうするわ、ほな迎え入れるで」
ホーソーンをとだ、エミリーは将兵達に信号で返事を送らせてだった。彼が了承の返事をこれまた信号で送って来るとだった。
もてなしの準備をさせた、程なくしてホーソーンはボートに乗ってエミリーの乗艦に来た。そうしてだった。
エミリーはその彼を迎え入れるとまずは自らホーソーンと握手を求めお互いに手を握り合ってから言った。
「ほな今からな」
「会談やな」
「それをしよか」
「そうしよか」
ホーソーンも笑顔で応えた。
「これから。ただな」
「それでもやな」
「政の話やが」
それを行うがとだ、エミリーはホーソーンに話した。
「この度はな」
「くつろいでやな」
「そや、そのうえでな」
笑顔での言葉だった。
「お話しよな」
「ああ、お互い知った仲やしな」
「友達同士やし。ほなお部屋も用意してあるし」
艦内にというのだ。
「士官室やけどええな」
「勿論や、ほなな」
「これからお話や」
こう言ってだった。
エミリーはホーソーンを艦の士官室に案内した、そこはもう会談の場にセッティングされていた。そこでだった。
二人は向かい合って座った、エミリーは会談がはじまるとすぐにホーソーンに極めて落ち着いた口調で言った。
「まず私の考え言うで」
「ああ、言ってくれ」
ホーソーンも是非と応えた。
「これからな」
「ほなな、私はあんたと戦う気はない」
全くという言葉だった。
「ないで」
「そやねんな」
「いがみ合う理由もないやろ」
「ああ、利害が衝突してる訳でもない」
ホーソーンも述べた。
「少なくとも今は境も接してへんしな」
「交易や貿易もあるしな」
「むしろ経済の話をしたらな」
「利益は共有してるな」
「今はある程度でもな」
「それで衝突してへんし」
エミリーはまたこう言った。
「それでな」
「そのうえでやな」
「そや、私等はこの世界を救うのが仕事や」
「それでお互い無闇に争うとな」
「本末転倒や」
「その通りや」
ホーソーンもそれはと答えた。
「まさにな」
「そや、それでや」
エミリーはさらに言った。
「ここはな」
「一緒にやな」
「やっていかへんか?」
ホーソーンの目を見ての言葉だった。
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