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夢幻水滸伝

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第二百九十七話 バイキングの戦いその二

「水道のこともな」
「整えていきますね」
「街や村も」
「そうしていきますね」
「正直言って予算はな」
 一連の政水関係のそれを述べてだった。
 ホーソーンは腕を組んでだ、官吏達に言った。ノーフォークにもうけた自身の官邸の会議室で勢力圏の文官の重要人物達を集めてそうしている。一つの勢力を治める者として官邸を用意してもらいそこに入って政を執る様になったのだ。
「かなりな」
「苦しいですね」
「幾らあっても足りないですね」
「軍も充実させてです」
「他の分野への予算もありますから」
「水関係だけにな」
 波止場や港、堤防や水路、それに水道だけでなくというのだ。
「教育とか道路や鉄道にな」
「福祉にです」
「産業の育成にも用いています」
「兎角です」
「予算が足りません」
「ああ、ほんま幾らあってもな」
 その予算がというのだ。
「あるだけや」
「使いますね」
「まさにその分」
「政というものは」
「そうなりますね」
「そやからな」
 だからだと言うのだった。
「正直な」
「予算は足りないですね」
「アメリカは豊かで」
「このバージニア州もですが」
「それで予算も多いですが」
「しかしです」
「やることが多い」
 政でとだ、ホーソーンは苦い顔で述べた。
「そやからな」
「どうしてもですね」
「あればあるだけ使ってしまい」
「それで、ですね」
「予算は足りないですね」
「幾らあってもな、これが政の予算ってやつやな」
 ホーソーンはこのことを実感して述べた。
「勿論戦をしてもな」
「予算は使います」
「その場合も」
「それも多くです」
「そうなります」
「そやな、借金つまち借款もな」
 これもというのだ。
「考えなあかん位やし」
「今は何とかです」
「それをしないで済んでいます」
「国債は発行していません」
「借金は持っていません」
「正直借金は嫌いや」
 ホーソーンはこれは絶対にと言った。
「それをするとな」
「借金は一旦すると増えます」
「そうなるものです」
「最初はその時だけ、少しと思っていても」
「また、もう少しとです」
「どんどん借りてです」
「やがて山積みになります」
「首が回らん様にもな」
 そこまでというのだ。
「なるもんやろ」
「左様ですね」
「それが借金というものです」
「何処までも増えます」
「一旦借りますと」
「そうなるさかいな」
 この危険があるからだというのだ。 
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