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夢幻水滸伝

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第二百九十五話 情報収集の結果その十二

 エミリーは五万の軍勢で街を完全に囲んだ、そしてさらに派手に歓声や銃声を立て航空機も飛ばしてだった。
 要人達が次々に石化させられ混乱しているピッツバーグの者達をさらに動揺させた、大軍の声も聞かせ。
 そこで使者も送った、するとだった。
「降りましたね、ピッツバーグも」
「それも戦わずして」
「まさに心を攻めてです」
「そうなりましたね」
「ああ、読み通りやった」
 まさにとだ、エミリーは将兵達に応えて言った。
「今回はな、そしてこれでや」
「はい、これでですね」
「ピッツバーグはエミリー様の勢力に入りました」
「そしてペンシルバニア州は統一されました」
「遂に」
「そうなったわ、これでや」
 エミリーは今度は笑みを浮かべて話した。
「後はな」
「はい、これでですね」
「ホーソーン様との会談ですね」
「それに入られますね」
「こっちも準備を整えてな」
 会談のそれをというのだ。
「そしてな」
「そのうえで、ですね」
「ホーソーン様も整えば」
「その時はですね」
「そや、会談をしてな」
 そうしてというのだ。
「それ次第でな」
「それで、ですね」
「協調か戦か」
「どちらかを選ばれますね」
「その様にされますね」
「そうするわ、ここまで長かったけどな」 
 この世界に来てペンシルバニア州の統一までとだ、エミリーは今自分達がいる軍の野営地の天幕の中で言った。
「しかしな」
「まだまだですね」
「世界統一まで道のりは遠いですね」
「そして世界を救うには」
「左様ですね」
「日暮れて道遠しと言うけれどな」
 エミリーはこの言葉を出しつつ述べた。
「まあ日の出がちょっとな」
「見えた」
「それ位ですか」
「今は」
「そや、ペンシルバニア州を統一してもな」
 この節目を迎えてもというのだ。
「やっとはじまったとか」
「そうしたところですか」
「このペンシルバニア州を統一しても」
「その程度ですか」
「ここからもっと長い、そやけどな」
 エミリーは将兵達に話した。
「ホーソーンちゃんとも話して」
「そして、ですね」
「そこからさらにですね」
「ことを進めていきますね」
「そうされますね」
「そうなるわ、けれど一つの節目は迎えたさかい」
 このことは事実だからでと言うのだった。
「お祝いもしよか」
「州を統一した」
「それもですね」
「行いますね」
「そうしよな」
 こう言ってだった。
 ペンシルバニア州を統一したエミリーは今度はホーソーンとの話に入る準備をした、彼女もまた他の星の者達と同じ様に休むことはなかったのだった。


第二百九十五話   完


                  2023・2・22 
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