夢幻水滸伝
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第二百九十六話 アメリカのバイキングその一
第二百九十六話 アメリカのバイキング
こちらの世界のバージニア州ノーフォークに出てだった。
クラーク=ホーソーンは声からこの世界そして自分のことを聞いてまずは何をしようかと考えた。それでだった。
金はあるにしても長い間生計を立てるにはどうかという額、声に聴くと一ヶ月位だけしか持っていないことを聞いてだった。
まずは糧を得ようと考えたその時にだった。
目の前に港そして船達が動いているのを見てだった。
バイキングという職業から海での仕事がいいと思いそれで港に入りそこにいるドワーフの自分と同じ位の年齢と見られる船乗りに働きたいので仕事を斡旋してくれるのは何処かと聞いたが。
船乗りは仰天してだ、彼に言った。
「あんた何者だ!?」
「わいか?バイキングやが」
「職業はそうか」
「それで種族はトロールや」
「それは一目でわかるよ」
船乗りはそれはと返した。
「だからいいよ」
「そうなんだな」
「ああ、それでおいらが言うのはな」
船乗りはホーソーンに仰天した顔のまま言った。
「あんたのレベルとステータスだよ」
「ああ、この世界相手のそれも確認出来たな」
ホーソーンは声から言われたこのことを思い出した。
「そうなったな」
「?この世界って」
「いや、実はな」
ここで隠すとかえってやり取りがややこしくなると思ってだ。
ホーソーンは船乗りに自分のことを話した、すると彼は飛び上がらんばかりに先程の仰天よりさらにそうなって言った。
「星の方でしたか!」
「あんためっちゃ驚いてるな」
「そりゃ驚きますよ」
見れば口調も変わっている。
「星の方が目の前にいきなり出て来られたんですから」
「そやからか」
「そやからです」
まさにというのだ。
「驚きますよ」
「自分では何ともないけどな」
「主観と客観は違いますから」
「自分ではそう思っててもやな」
「他人は違いますね」
「その通りや」
ホーソーンもそれはと頷いた。
「やっぱりな」
「ですから」
「あんたわいが星のモンでそこまで驚いてるんやな」
「あの、星の方でしたら」
船乗りは自分から言ってきた。
「この港を仕切ってる網元に会ってくれませんか」
「その人が仕事の斡旋してくれるんか」
「元々漁業を仕切ってまして」
「このノーフォークのかいな」
「はい、養殖や捕鯨もしてます」
そちらも取り仕切っているというのだ。
「それで鯨油に肉に身体の他のところも扱ってまして」
「ああ、こっちの世界アメリカも鯨食うか」
「おいらは好きですよ」
船乗りは鯨肉についてホーソーンに舌なめずりせんばかりになって答えた。
「鯨も他の魚も」
「そうやねんな」
「特にステーキか。まあそれは置いておいて」
「鯨の話はやな」
「漁業を仕切っていて造船や貿易の方にも顔が利いて」
「それでか」
「この港の顔役なんですよ」
こうホーソーンに話した。
「顔は怖いですが面倒見のいい公平な人です」
「そうした人か」
「はい、それならですね」
「ああ、その人のところに紹介してくれるか」
「こっちですよ」
船乗りはホーソーンの言葉に頷いてだった。
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