仮面ライダーファイズ 小さな星の話
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第二十一章
「おまけにベルトも二本出来上がって。それで乾君達と派手にやり合ったわ」
「乾君達と」
「木場君のお友達もいたわよ」
彼女はさらに付け加えてきた。
「海堂、結花」
「皆無事だったけれど」
顎に拳を当てて俯いてみせる。
「大怪我しちゃって。それで大変なことになってるの」
「そうだったのか」
「それで木場君はどうするのかしら」
あらためて彼を見てきた。
「どっちについて戦うのかしら。それとも戦わないのかしら」
「少なくともオルフェノクにつく気にはなれない」
木場は俯いてこう言った。
「あいつ等には騙されていたし。それに結花を」
「そうよね。お姉さんその気持ちはわかるわ」
その言葉に頷いてみせる。
「じゃあ戦わないか戦うかよね」
「そのどちらかだけれど。まだどうするかは」
「後は自分で決めるというのなら」
彼女はまた言ってきた。
「やっぱり木場君に渡してあげる」
「何を」
「はい、これ」
彼女はここであるものを出してきた。それはベルトであった。
「ベルト、まさか」
「そう、二本のベルトを言ったわよね」
「うん、今」
「そのうちの一本。地のベルトよ」
そう木場に答えてきた。
「実はね、スマートブレイン社はデルタギアから二本のベルトを開発していたの。一本は天のベルト、サイガ。そしてもう一本が」
「この地のベルト」
「そう、オーガっていうのよ」
「オーガ・・・・・・仮面ライダーオーガ」
木場は今その名を呟いた。手に取るベルトに確かに力を感じていた。
「その力を俺に」
「どうするかは木場君次第よ」
彼に預けると言ってきた。
「どう使うわは」
「何故それを俺に」
「木場君だからよ」
それがスマートレディの答えであった。
「それでいいかしら」
「俺を信じてくれる」
「少なくとも嫌いじゃないわ」
その大きな目で木場を見上げてきた。
「木場君なら何かしてくれるって。お姉さんこれでも期待しているのよ」
「俺が何かできる」
「してみる?」
「・・・・・・暫く考えさせてくれ」
少し時間を置いてからこう述べてきた。
「俺はまだどうしていいかわからないから」
「そう。だったらじっくり考えて」
またしてもあえて木場に任せてきた。
「それじゃあね」
スマートレディは立ち去った。後には木場だけが残された。彼はまた一人になったのであった。
一人になった彼はじっとオーガのベルトを見ていた。そして考えていた。
「オーガ。天のベルト」
そのベルトを見てどうしようか考えていた。しかし今はどうしても結論を見出せないでいたのであった。彼はまだどうするべきか決められないでいた。
スマートブレインにはまた人が集まってきていた。影山のいるバーグローバーにもあの面々が集まってきていた。そこには村上もいた。
「ふふふ、皆さん久し振りですね」
「そうだな」
彼にジェイが応えてきた。
「特に俺はな」
「またお会いできて光栄です」
そうジェイに返す。
「貴方がいなくなってから色々ありましたからね」
「結局琢磨君はいなくなったままね」
影山がジェイにビールを出しながら述べてきた。
「今何処で何をしているのかしら」
「彼は彼で楽しんでいるんだよ」
北崎が笑ってそう答えてきた。
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