仮面ライダーファイズ 小さな星の話
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第二十二章
「多分ね」
「つまりもうここには戻って来ないってことね」
「だと思うよ」
「ならそれはそれでいいわ」
影山はそれを受け入れた。
「澤田君がいるし。メンバーは揃っているから」
「そう、そして」
村上はここで自分の左をちらりと見てきた。
「彼もいますしね」
そこにはレオがいた。彼は朗らかだが同時に不敵な笑みを見せてそこに座っていた。
「彼ね」
「はい」
レオを見た上で影山にも答える。
「ライオンオルフェノクなのですよ」
「だからレオなのね」
「ソウイウコト」
レオ自身が答えてきた。やはり癖のある日本語であった。
「俺サイガニナレル。コレデファイズモ倒ス」
「そう。じゃあ期待しているわレオ君」
「サンキュー、ミス影山」
その言葉に応えてきた。そしてカクテルを注文する。
「スクリュードライバー」
「わかったわ」
影山はそれに頷く。その手でカクテルを作って出す。
「どうぞ」
「ウン」
「けれど中々賑やかになってきたわね」
「これだけではあるませんよ」
村上は笑って彼女に言葉を返してきた。
「まだ誰かいるの?」
「はい」
不敵な笑みで応える。
「それも大勢。今相手は何人でしたっけ」
「何か新しいのも出たから八人だったね」
北崎がそれに答える。
「違ったっけ」
「木場君も生きているんじゃなかったかしら」
影山はレオにスクリュードライバーを渡しながら答えていた。
「あれ、彼生きていたんだ」
「確かね」
「ふうん、けれどそれでも九人だよ」
「一人一人は相当な強さだな」
ジェイはクールに述べてきた。ビールを飲んでいるがあまり酔ってはいないようである。それは彼が酒に強いからであろうかそれとも酔えない理由があるのかはわからない。だが彼が酔っていないのは確かであった。最も冷静な様子を保っていたのであった。
「一騎当千か」
「合わせて九千」
澤田がそう返す。
「しかし俺達もいる」
「面白い勝負かしら」
「一騎当千、どう多く見ても九千ですか」
村上はそれを聞いて何故か笑う。
「上の上が九人いればそうでしょう。こちらは上の上は六人」
「あら、それを言われると数では負けているわよ」
影山は今度はそう答えた。
「王もいるけれど」
「何、王の手はわずらわせませんよ」
村上は自分の酒を飲みながら述べた。
「中の下でも数がいて上の上の戦術ならば問題ありません」
「言っている意味がわからないよ、それじゃあ」
北崎は詰まらなさそうに言う。
「もっとわかりやすくさあ。いかないの?」
「戦いの場は決まっています」
彼はまた言う。
「何処だ?」
「とっておきの場所です」
ジェイの問いに笑みを返す。
「奇巌山」
村上は言った。
「そこで戦います」
「奇巌山というと」
澤田はその記憶を手繰って呟いた。
「あの岩山か。高低が凄かったな」
「どうですか、そこで」
「いいわね」
影山はそれに賛成してきた。
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