夢幻水滸伝
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第二百九十四話 フィラデルフィアのアサシンその八
「そうした勢力にしてくで」
「これより」
「ほなペンシルバニア州のや」
自分達が今いるフィラデルフィアのある、というのだ。
「統一をや」
「進めていかれますか」
「州の街や村にどんどん使者を送って」
「こちらに降る様に勧めて」
「そしてな」
そのうえでというのだ。
「降ってこっちに入ればよしで」
「降らない場合は」
「どうしてもって言うんやったら」
真顔でだ、エミリーは答えた。
「もう軍隊を送ってや」
「攻めてですか」
「降すわ」
「最後は武力ですね」
「そや、ただ武力や」
エミリーは市長が今言ったその単語を自分でも言ってみせた。
「それをや」
「用いられるのですね」
「法もあるしな」
「この街の」
「それを勢力全体の法の基本にしてな」
そうしてというのだ。
「軍隊もな」
「軍律で、ですね」
「コントロール下に置いてな」
そのうえでというのだ。
「そしてや」
「略奪暴行等を許さず」
「統率を取ってくで」
「それも忘れないですね」
「そや」
まさにというのだ。
「法でコントロールされた力で以てや」
「攻めていきますか」
「私は暴力は嫌いや」
エミリーはこうも言った。
「それは醜い力や」
「武力とは違う」
「ただ感情の赴くままに振るう」
そうしたというのだ。
「しかも自分より腕力が弱い相手にな」
「それが暴力であり」
「そんな力は何でもないわ」
「下らない力だというのですね」
「そや」
その通りという返事だった。
「まさにな」
「だからこそですか」
「私はな」
「暴力は用いられない」
「武力を用いる、それで以てや」
「降らない街や村を降していきますか」
「降ればよしや、あと武器を持って向かって来る相手とは戦うが」
その場合はというのだ、エミリーは市長に対して軍と軍の戦かゲリラとの戦闘を意識しながら話した。
「武器を持たんな」
「普通の民とはですか」
「戦わん、銃や剣を向けることはな」
それはというのだ。
「決してや」
「ないですか」
「そや、そんなことはな」
決してというのだ。
「ない様にや」
「されますね」
「それが武力やからな」
「攻撃するのはあくまで武器を持った相手ですね」
「それか獣かモンスターかや」
若しくはとだ、エミリーはさらに話した。
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