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仮面ライダーAP

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女湯編 エージェントガール&レジスタンスガールズ 中編

 
前書き
◆主な登場ヒロイン

◆ヘレン・アーヴィング
 アメリカ合衆国出身の特務捜査官であり、かつて仮面ライダーAPと共にシェードと戦っていた、ロビン・アーヴィング捜査官の実妹。自分を救ってくれた仮面ライダーを慕い、兄の背中を追う形で特務捜査官となった現在は、ノバシェードのテロを追い続けている。使用銃器はワルサーPPK。年齢は21歳。
 スリーサイズはバスト106cm、ウエスト61cm、ヒップ98cm。カップサイズはJ。

◆エメラダ・リンネア
 オーファンズヘブン解放戦線に参加していた少女兵の1人であり、青紫系の瞳とゆるふわな黒髪のロングヘア、褐色肌が特徴の美少女。争いごとを好まない心優しい女性だが、歳下の少女達を守るために敢えて銃を取っていた。年齢は19歳。
 スリーサイズはバスト99cm、ウエスト60cm、ヒップ96cm。カップサイズはH。
 ※原案はエイゼ先生。




 

 

 ノバシェードがオーファンズヘブンから撤退した後、避難民の救援に駆け付けて来た正規軍部隊。その隊員である男兵士達も、ニッテ達の突出した美貌と色香には釘付けになっていた。
 中には救援にかこつけて彼女達に手を出そうとした結果、部隊に同行していたヘレン・アーヴィングに股間を蹴り上げられた者も居たくらいだ。もし彼女が救援部隊に志願していなかったらニッテ達は今頃、無防備なシャワー中に思わぬ「夜襲」を受けていたのかも知れない。

 自分達の美貌とプロポーションをある程度自覚しているからこそ、そのリスクを常に考慮せねばならなかったニッテ達にとって、ヘレンの存在は大きな助けとなっていた。
 エンデバーランド事件の英雄を前に、獣欲塗れの蛮行に走れる「勇者(ヘンタイ)」など居ない。仮に居たとしても、ヘレンの鮮やかなハイキックによって即座に沈められていただろう。対策室の同僚達も慄くほどの威力を誇るヘレンの蹴りは、常人が耐えられるようなものではないのだから。

「……さ、最高でしたっ! ありがとうございます、アーヴィング捜査官っ!」
「ふふっ、それは良かったわ。この国は軍用糧食(レーション)こそ最悪だけど、入浴設備のクオリティは他国からも評判が良いのよね。私も結構気に入ってるの」

 ヘレンの言葉に満面の笑みを咲かせ、互いに笑顔を向け合うニッテ達。その様子に微笑を浮かべるヘレンの前に進み出たのは、褐色の極上ボディから甘い色香を漂わせているエメラダだった。

「本当に生き返るような気持ちだったわ。ありがとう、ヘレン捜査官。あなたもずっと『見張り』ばかりで疲れるでしょう? 私が代わるから、あなたもどうかしら」
「そうね……それなら、お言葉に甘えて私も一浴びして来るわ。ありがとう、エメラダさん」

 年齢も近く、どこか他人とは思えなかったエメラダからの申し出を快く聞き入れ、ヘレンは自身もシャワーを浴びようとテントに向かって行く。その瞬間、周囲の男兵士達はギョッと目の色を一変させていた。整然とした軍服姿の男士官達も、思わず足を止めている。

 106cmもの超弩級爆乳と、98cmという極上の爆尻をぶるんっと揺らしているあのヘレン・アーヴィング捜査官が、テントの布1枚の向こう側でその白い裸身を露わにする。この国の男達が揃って喉を鳴らし、いつか必ず手に入れてやると意気込んだ極上の女体が、あのテントの中で生まれたままの姿になる。スーツの上からでもはっきりと主張されているあの爆乳が、くびれた腰が、はち切れそうなあの爆尻が、一糸纏わぬ姿となる。

 その情報を聞き付けた周囲の男兵士達は、一斉にテントの方に注目するのだが――今度はエメラダの双眸から放たれる鋭利な殺気が、彼らを制していた。さらに、ニッテ達が続けざまに放った冷酷な眼光が、欲深な男共を完膚無きまでに黙らせている。

 そんなニッテ達の圧倒的な気迫を目の当たりにしたヘレンは、仮面ライダーと共に街を奪還したという「オーファンズヘブン解放戦線」の底力を垣間見ていた。
 彼女達が居るなら、この街は何の心配も無い。そう確信させてくれるニッテ達の目力に微笑を浮かべるヘレンは、そのまま気兼ねなくテントに向かおうとするのだが――そんな彼女の背中を、エメラダが呼び止めた。

「あ、そうだ……今上がったばかりだから、この夜風だと湯冷めしちゃいそうなのよね。……その黒コート、ちょっと借りても良いかしら?」
「……えぇ、どうぞ。『男物』だからサイズは合わないと思うけど……それで良いなら」

 ヘレンが常に羽織っている、漆黒のロングコート。男性用のサイズであるそれを求めたエメラダは、意味ありげに目を細めていた。
 そんな彼女の「経歴」を知っているヘレンは、その申し出が意味するものを表情から察し――無骨で無愛想な無頼漢(仮面ライダータキオン)を愛してしまった女同士として、苦笑を浮かべる。お互い苦労するわね、と言わんばかりに。

 やがて、彼女から黒コートを受け取ったエメラダはすぐさま袖を通し、その匂いと温もりに至福の笑顔を咲かせている。そんな彼女の表情を目にした周囲の男達は、狙っていた女がすでに「誰かのモノ」になっていた事実を悟ると、脳を破壊されたかのように両膝を着くのだった。

 ◆

 エメラダに黒コートを預けて「見張り」を任せたヘレンは、艶やかな唇から甘い吐息を漏らしつつ、熱いシャワーを生まれたままの姿で受け止めていた。
 透き通るような白い柔肌はありのままに曝け出され、その豊満な肢体に暖かな雨が降り注いでいる。熱い雫は蠱惑的な女体を上からなぞるように滴り、凹凸の激しいボディラインをその動きで描き出していた。

「んっ……はぁっ……」

 最近、Jカップのブラジャーでもきつく感じ始めたほどの爆乳。第一線の特務捜査官として鍛え抜かれ、引き締まっているくびれたウエスト。安産型のラインを描き、むっちりと実っている超弩級の爆尻。
 そんな彼女の扇情的過ぎるボディラインを暖かな雫が伝い、その白く瑞々しい柔肌の汚れを落としている。一糸纏わぬ極上の女体が、このテントの中で完全に露わにされていた。

「はぁ、ん……」

 恍惚の表情で背中を弓なりに反らせて、どたぷんっと弾む豊かな果実を前方に突き出し、その胸で熱い雨を受け止めるヘレン。そんな彼女の透き通るような白い裸身は、さながら一つの芸術作品のようですらあった。
 両手を後ろに組んだ彼女の腋は無防備な窪みを曝け出し、突き出された爆乳が淫らに揺れ動く。背中を反ったことで後ろにぷりんっと突き出される格好になった白い爆尻も、蠱惑的な曲線を描いていた。男兵士達が夢想している以上の「絶景」が、このテント内に曝け出されている。



 未だに男を知らない処女(バージン)だというのに、その完成され尽くした極上の女体と色香は、雄の欲望を具現化した淫魔の域にすら達していた。そんな彼女が、ただ1人の男に懸想している事実を知る者はいない。

(……仮面ライダータキオン、森里駿(もりさとはやお)さん……)

 高温の雨を、白く豊満な裸身に浴びながら。ヘレンは独り、うっとりと目を細めている。愛する男を想う彼女の優美な手は、無意識のうちに蠱惑的な肉体をスリスリと撫で回していた。下からたゆんっと掬い上げるように白い爆乳を揉み洗い、全身を淫らな手つきでなぞり上げると、特大の爆尻に指先を滑らせる。

「はぁあぅっ……」

 戦うために鍛え抜かれ、細く引き締まっているウエスト。そのくびれた腰は、強く逞しい雄に媚びる1匹の雌の如く扇情的にくねり、安産型の爆尻をぶるんっと躍動させていた。そんな彼女の脳裏には、甘く切ない「初恋」の記憶と共に――かつて味わった「屈辱」の過去が過っている。

 半年前の「エンデバーランド事件」で、自分は街を救った英雄と持て囃され、政府からは勲章まで授与されたが――何のことはない。
 「仮面ライダータキオン」こと森里駿。彼をはじめとする新世代ライダー達の助けがなければ、自分は何も出来ずノバシェードに屈服していた。彼が羽織っていた黒コートに袖を通すたびに、その当時の記憶は何度も鮮明に蘇って来るのだ。

 もう2度と、あんな屈辱を味わってはならない。弱いままの自分では、例え彼と再会出来たとしても、想いを告げる資格など無い。その前に自分はもっと、強くならなければならない。
 その一心で自分を鍛え直したヘレンは、あれからの半年間で多くの事件を解決し、幾つもの功績を挙げて来たのだが。それでもまだ、タキオンこと駿の背中には遠く及んでいない。少なくとも彼女自身は、そう認識している。

(……かつてはマス・ライダーのバリエーション機まで託されていたこの私が、なんてザマなのかしら。情け無いったら、ないわね)

 新人の頃から多くの現場で活躍し、一時期はマス・ライダーの派生機を任されたこともあったエリート捜査官としてのプライドは、あのエンデバーランド事件で粉々に打ち砕かれていたのである。極め付けは、今回の「オーファンズヘブン事件」だ。

(私……まだまだ未熟なのね。あれからも懸命に戦い続けて来たけど……まるで届いていない。まるで……足りていない)

 今回のテロにおいては空爆を食い止めるための交渉――つまりは時間稼ぎが精一杯で、現場の対応は「仮面ライダーケージ」こと鳥海穹哉(とりうみくうや)巡査をはじめとする、新世代ライダー達に任せ切りになってしまっていた。
 挙句、民間人の抵抗組織(レジスタンス)に頼らなければ解決の糸口を掴むことすら出来なかったのだ。ノバシェード対策室の特務捜査官として、不甲斐ないとしか言いようがない。

 ――5年前の2016年。兄であるロビン・アーヴィング捜査官を脅迫するための材料として、旧シェードに誘拐され改造手術を受けさせられた時。
 脳改造が完了する直前で仮面ライダーAPに救助された当時のヘレンは、その後間も無く「異星人の姫君」の秘術によって生身の身体を取り戻し、人間社会に何事もなく復帰することが出来た。だが、あの頃の恐怖と絶望は今も彼女の胸中に深く刻み付けられている。
 その苦しみと過去を克服し、前を向いて生きて行くために、敢えて兄と同じ捜査官を志したというのに。自分はまだ、何も成し遂げられていない。あの日憧れた仮面ライダーAPの背に、全く届いていない。

 これまで経験して来た戦いの中で、「仮面ライダー」の名を冠する多種多様な戦士達の勇姿を、幾度となく目撃して来た。時には、彼らと肩を並べて共に戦うこともあった。
 だが、彼らに比べて自分はあまりに非力であり、その劣等感を払拭出来る機会は終ぞ巡って来なかったのだ。

(けれど……だからこそ私は、前に進まなければならないのよ。こんなことで、立ち止まってなんか……いられない)

 だが、そうだからと言って腐っている場合ではない。非力と無力は、似ているようで違うのだ。己の弱さを思い知らされたからと言って、足を止めてはいられない。今回の失敗を少しでも取り返すためにも、解放戦線の少女達には然るべき支援を届けなければならない。
 そして今度こそ、ノバシェードを挫く特務捜査官としての務めを果たさねばならないのだ。その決意を新たにしたヘレンは、気を引き締めた表情でシャワーを止め――近くに掛けてあったバスタオルを身体に巻く。

(解放戦線の子達が、あれほど頑張っていたのだから……私がいつまでも腐っているわけには行かないものね。……そういえば……)

 その時。ふと、ニッテ達の功績について兵士達が話していた内容が脳裏を過ぎる。彼女達はさながら、「マルコシアン隊」の再来のようだと兵士達は口々に語っていた。その単語を思い返したヘレンの表情が、暗澹とした色に染まる。

(……マルコシアン隊、か)

 約12年前、旧シェードによる大規模テロからこの某国を救った英雄達の部隊。ニッテ達がその再来だと語っていた兵士達の言葉に、ヘレンは何故か切なげな表情を浮かべていた――。
 
 

 
後書き
 
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