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夢幻水滸伝

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第二百九十三話 リンチバーグの野戦その十三

「言うてみたが」
「正直外してるわ」
「やっぱりそうか」
「そもそもホーソーンの奴って何やねん」
 ロシア語でシチナと付くと誰それの奴という意味になるのだ、例えばムソルングスキーの歌劇ホヴァンシチナはホヴァンスキー派の奴等という意味である。
「それはないやろ」
「ほなちゃんでええやろ」
「全く、君付けの間柄でもないからか」
「自分かて私をちゃん付けやろ」
「女の子に対してやからええやろ」
「それやと一緒や」
「まあ兎に角です」
 ボームはカルボナーラを食べながら二人に話した。
「これよりです」
「私等のことをですね」
「お話することですか」
「はい、何があったか」 
 このことをというのだ。
「お聞きしたいので」
「そう言われるなら」
「今から」
「お願いします」
 こう二人に話した。
「是非」
「はい、ほな」
「お話させてもらいます」
「頼むな、こうした話はな」
 メルヴィルはラザニアを実に美味く食べつつ話した。
「ほんまにや」
「おもろいですか」
「そうなんですか」
「そや、これまでどうしてきたか」
 それをというのだ。
「こうした世界やとな」
「おもろいですか」
「そうなんですか」
「こっちも話すしな」
 メルヴィルは自分達のこともと返した。
「お互いにな」
「これからですね」
「自分達のこれまでを話すんですね」
「そや、そうせんか」
 二人にワインを飲みつつ提案した。
「今から」
「そうですね、ほなです」
「わい等もメルヴィルさん達のお話聞きたいですし」
 それでとだ、二人も答えた。
「お話させてもらいます」
「出来るだけおもろく話させてもらいます」
「ありのままでええからな」
 メルヴィルはエミリーの言葉には笑って返した。
「ありのままで充分おもろい筈やからな」
「それで、ですか」
「お話してもええですか」
「そうしてくれるか」
 エミリーだけでなくホーソーンにも話した。
「これから」
「はい、ほなです」
「それでお話させてもらいます」 
 二人も頷いた、そうしてだった。
 二人は飲んで食べつつ話した、そしてメルヴィル達も聞くのだった。


第二百九十三話   完


                2023・2・8 
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