| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

夢幻水滸伝

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二百九十二話 バージニア州へその十四

「そうなると厄介ですね」
「敵が多いとな」
 それだけでとだ、メルヴィルは言った。
「それだけでな」
「脅威ですね」
「それになるからな」 
「ここはですね」
「勝って二人を降さんと」
 さもないと、というのだ。
「厄介なことになる」
「そうですね」
「そやからな」 
 だからだというのだ。
「ここは勝つで」
「そうしますね」
「ホーソーンの突撃は任せるんや」
 笑ってだ、メルヴィルは仲間達に言った。
「わしにな」
「突撃されてもじゃな」
 碧はそのメルヴィルに不敵な笑みで応えた。
「迎え撃って」
「そして逆にや」
「押し返すんじゃな」
「そうしてみせる、それでや」
「わらわ達がじゃな」
「二人の軍を攻めてな」
 そうしてというのだ。
「勝ってもらう」
「そうするんじゃな」
「そや、敵の攻め方がわかってるなら」 
 それならというのだ。
「こっちもや」
「やり方があるのう」
「そうや、攻城戦でも野戦でもな」
 どういった戦になってもというのだ。
「相手の出方がわかったら」
「こっちはそれに対して確かな方法で迎え撃つ」
「そうするんや、ほなな」
「ホーソーン君はじゃな」
「わしに任せてくれるか」
「いや、全体の指揮があるけえ」 
 碧はすぐにこうメルヴィルに返した。
「だからじゃ」
「わしはか」
「ホーソーン君の相手は止めておくんじゃ」
「そうか」
「わらわが引き受けるけえ」
 微笑んで自分がと言った。
「任せるんじゃ」
「そうしてくれるか」
「そうじゃ、それでどうじゃ」
「そやな」 
 少し考えてからだ、メルヴィルは答えた。
「ここはな」
「彼のことはわらわに任せてくれるか」
「そうさせてもらうわ」
「ほなのう」
「ホーソーン君は強い」 
 碧はこのことを率直に認めた、それが言葉にも出ている。
「しかしじゃ」
「碧ちゃんはやな」
「さらに強い」
 自分はというのだ。
「だからじゃ」
「それでやな」
「勝ってみせる、そして勝ったら」
 ここでもにまあ、と笑って話した。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧