夢幻水滸伝
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第二百九十二話 バージニア州へその十五
「その時はじゃ」
「プロポーズかいな」
「婿に誘うけえ」
その笑顔で言うのだった。
「そして神前の式の後でしゃ」
「初夜か」
「たっぷりと楽しんでもらってのう」
目にも好色の色を及ばせての言葉だった、口からは涎が出ていてそのうえで仲間達に対してさらに言うのだった。
「楽しむけえ、四十八手だけじゃなくて」
「えっ、他にまだあります?」
ジェーンは碧の話に少し驚いて突っ込みを入れた。
「四十八手ってあれですよね」
「体位じゃ」
「それが四十八もあって」
「舌に口、手と足は何の為にあるんじゃ」
これが碧の返事だった。
「一体」
「ああ、そういうことですか」
ジェーンも言われて納得した。
「そういうのも使って」
「そしてじゃ」
「お婿さんには楽しんでもらうんですね」
「わらわも楽しむんじゃ」
「一緒に」
「それが夫婦の営みじゃ」
「先輩そういうことも勉強して」
そしてとだ、ジェーンは述べた。
「練習もですか」
「それ用の器具もあるけえ」
「そうなんですね」
「本朝にはのう」
日本にはというのだ。
「それでのう」
「そうしたものもお持ちで」
「それでじゃ」
「実際の練習もですね」
「してるけえ、婿殿にはわらわの身体も心も貪ってもらって」
ここでもにまあ、と好色に満ちた笑顔で話した。
「そしてじゃ」
「先輩ご自身もですね」
「そうするけえ」
「ホーソーンさんにですか」
「勝ったら誘いをかける」
絶対にという言葉だった。
「そうするけえ」
「そこは先輩ですね」
まさにとだ、瑠璃子は笑って述べた。
「もう無類の男好きのそうしたこと好き」
「男の人には誰でもまずは婿にならんか」
紗枝も笑って語る。
「それですね」
「まあそう言うても処女なんですよね」
由香はこのことを話した。
「男の人と手をつないだこともない」
「それて相手の人はご主人だけ」
雅美は碧の絶対の考えのことを話した。
「貞節も何があっても守るんですね」
「生涯のう、まあ全ては戦が終わってからじゃ」
碧は四人に素の顔に戻って話した。
「声をかけるのはな」
「勝ってからですね」
「ホーソーンさんに」
「そしてエミリーさんにも」
「それからですね」
「そうじゃ、それでホーソーン君はわらわが引き受けるが」
碧は戦局に話を戻して述べた。
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