夢幻水滸伝
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第二百九十二話 バージニア州へその十
「私はスナイパーや」
「防衛戦が得意やな」
「そやからな」
「外に出てもやな」
「私は守って」
そうしてというのだ。
「そのうえでな」
「わいが攻めるな」
「そうしてな」
「戦ってくか」
「そうしよな」
まさにというのだ。
「それで勝ったらな」
「さらに戦ってくな」
「そしてな」
それでというのだ。
「負けたら」
「それまでやな」
「もう私等には後がない」
エミリーはこの現実も話した。
「これまで負け続けてな」
「ここまで退いてな」
「勢力圏の街や村もな」
「メルヴィルさん達に降ってる」
「この状況で負けたら」
それこそというのだ。
「もうな」
「終わりや」
ホーソーンは一言で述べた。
「それでやな」
「降るしかない」
その時はとだ、エミリーは言葉を返した。
「最早な」
「それが現実やな」
「そや、メルヴィルさんが私達をどう遇するかわからんが」
「勝者に委ねるしかないな」
「敗者としてな」
その立場でというのだ。
「そうするしかない」
「そやな、ほなな」
「ここでもう何があってもな」
「勝つな」
「そうしよな」
二人で意を決し合った、そのうえで。
戦の準備に入った、今度は野戦を挑むことを念頭に置いてだった。
それに入った、その頃メルヴィルはジェーンと共に軍を率いてリンチバーグにその進路にある街や村、それに浮島を勢力圏に収めていき。
「リンチバーグの北でな」
「そこで、ですね」
「碧ちゃん達の軍勢と合流するで」
今もジープに共に乗りつつ後部座席で話した。
「そしてや」
「戦いますか」
「そや、間違いなく今度がな」
メルヴィルは真剣な顔で述べた。
「二人との最後の戦になるわ」
「そうですか」
「そやからな」
だからだというのだ。
「ここでや」
「終わらせる為にですね」
「慎重に慎重を重ねてな」
そのうえでというのだ。
「戦ってな」
「勝ちますね」
「そうして二人の勢力圏をや」
「完全に手中に収めて」
「二人もな」
「仲間ですね」
「そや、昨日の敵は今日の友や」
メルヴィルはこの言葉は笑って話した。
「そうなるのがな」
「僕ちん達ですね」
「そやからな」
「戦にかてば」
その時はというと。
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