夢幻水滸伝

「わし等にや」
「傾いて」
「それが覆せん位にや」
「なってるとですね」
「民も思ってきたさかいな」
　だからだというのだ。
「この州はホーソーンの本拠地やが」
「それでもですね」
「戦の趨勢が明らかになって」
　そしてというのだ。
「わし等が無体をせんとなると」
「降ってくれますね」
「それでペンシルバニア、ウエストバージニアもな」
　この二つの州もというのだ。
「今やな」
「完全に僕ちん達の勢力に入りましたね」
「戦の趨勢が明らかになって」　
　そしてというのだ。
「相手が穏やかでや」
「まともな統治を行うなら」
「降るもんや」
「敵の勢力であった民も」
「そや、それで来るモンはな」
「拒まずですね」
「それで受け入れるしな」　
　メルヴィルにしてもというのだ。
「それでや」
「殆どの街や村がですね」
「降ってくれてる、そして降らんでな」
「戦になっても」
「無体なことはな」
「せんですね」
「それはしたらあかん」
　絶対にと言うのだった。
「わし等は何か」
「星の人です」
　ジェーンは即答した。
「この世界を救う」
「世界を救うモンが略奪させたりとかな」
「そうしたことはしたらあきません」
「そやからや」
「軍律は厳しくして」
「そしてな」
　そのうえでというのだ。
「何があってもや」
「無体はさせませんね」
「若し不心得者がおったら」
　その時はというと。
「容赦なくな」
「逮捕してですね」
「軍法会議にかけてな」
「厳罰に処しますね」
「そうする」
　こう言うのだった。
「断固としてな」
「そうですね」
「そやからな」
　それでというのだ。
「敢えて給料もや」
「手当ても含めて」
「よおさん与えてる、それにな」
　メルヴィルはさらに話した。
「この世界は男女共に風俗もな」
「ありますね」
「それで軍属のな」
「そうしたお店もですね」
「用意してな」
　そうしてというのだ。
「無体な真似はや」
「起こらない様にしていますね」
「結局何もするな、っていう禁欲的な」
「お給料を出さず」
「そしてそうしたお店もないとな」
「人は暴走しますね」
「そや、人はどの世界でも欲がある」
　このことをだ、メルヴィルは実感して話した。