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夢幻水滸伝

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第二百九十二話 バージニア州へその五

「手間もかかるしな」
「損害も出て」
「後始末が大変やからな」 
「何もかもが破壊されて」
「その後の復興も考えるとな」 
 それならというのだ。
「ほんまにな」
「戦なくですね」
「ことを為せたら」
「ええですね」
「今後リッチモンドはわし等の勢力の主要都市の一つとしてや」
「治めていき」
「そしてな」
 そのうえでというのだ。
「栄えてもらってな」
「多くのものをもたらしてもらいますね」
「そうなってもらう」 
 実際にというのだ。
「是非な」
「左様ですね、それが後々ですね」
「勢力を豊かにしてくれる」
「そう考えると」
「ほんまにな」
 メルヴィルは微笑んで言った。
「戦はせんに限る」
「戦わずして勝つことこそが最善ですね」
「それで今の戦もな」
「せんで、ですね」
「ことが進められてらな」 
 それならというのだ。
「よかったんやが」
「無血で」
「世の中そうもいかん、こっちの世界でもな」
 どうしてもというのだ。
「それでや」
「今は戦っていますね」
「そうしてるわ、相手も意地があるからな」
「そうですね」
「それで戦うならな」
 そうであるならというのだ。
「戦が起こって」
「戦災も出ますね」
「そや、民は巻き込まん様にしててな」
 そうしてもとだ、メルヴィルは苦い顔で話した。
「そしてや」
「そのうえで、ですね」
「略奪とかも許してへんが」
 それでもというのだ。
「どうしてもな」
「戦災は避けられませんね」
「戦をしてるとな」
「どうしてもそうなりますね」
「ああ、軍事施設だけを攻撃しても」
「その復興があります」
「それで攻城戦をすれば」
 即ち街を攻めればというのだ、この世界においても日本以外の殆どの国では街は城壁に囲まれ城塞都市となっているのだ。
「城壁をや」
「壊してしまいます」
「攻撃対象にせんでも民間施設に流れ弾も行く」
 こうしたことも起こるというのだ。
「そやからな」
「民を攻撃せんでも」
「やっぱり損害は出るしな」
「その復興には手間暇もかかります」
「例え人は術や道具で復活させられてもな」
 それでもというのだ。
「高度の術でな」
「そうした技術が使われる道具です」
「そやからな」
「高価やったりしますね」
「命は高い」
 メルヴィルは一言で言った。 
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