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夢幻水滸伝

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第二百九十一話 列車砲の攻撃その十

「その分の劣勢もどうするか」
「このことも重要ですが」
「それと共にな」
 さらに言うのだった。
「軍の数もやし」
「そこに列車砲もとなると」
「どうするやが」
「対策を立てにくいですね」
「どうもな」
 城壁から敵軍を見つつ話した。
「この度は」
「やはりそうですか」
「どうもな、そやけどな」
「戦っていきますね」
「そうするで」
 この決意は変わらなかった。
「何とかな」
「ここで防ぎますね」
「このチャールストンで」
 こう言ってだった。
 メアリーは彼女が思いつく限りの備えを用意した。
 術も用い城壁を堅固にしかつ列車砲に対して城門から兵を出してそれが動く線路への攻撃もさせた。だが。
 城壁の守りは兎も角線路に対してはだった。
「安心するけえ」
「守ってくれていますね」
「そっちはじゃ」
 碧はボームに陣地で笑って話した。
「わらわがじゃ」
「引き受けてくれますね」
「メアリーちゃんからの攻撃にな」
「敵軍のそれはですね」
「わらわが軍を率いてな」 
 そのうえでというのだ。
「対するけえ」
「そやからですね」
「ボーム君は線路を敷いてな」
「列車砲の移動にですね」
「専念するんじゃ」
「ではそうさせてもらいます」
「それで夜寒いなら」
 ここでだ、碧は。
 好色そうな目を向けてだ、彼に言ってきた。
「式の後でじゃ」
「ベッドで、ですか」
「どうじゃ、わらわが温めてやるぞ」
「いえ、遠慮します」
 ボームは碧に苦笑いで応えた。
「そろそろと思っていましたが」
「そろそろか」
「そうしたお話をしてくると」
「ううむ、わらわは読まれておるか」
「そうしたことは嫌いやないですが」
 それでもというのだ。
「しかしです」
「わらわはか」
「国木田さんはお友達としてです」
「付き合いたいんじゃな」
「はい、ですから」
 それでというのだ。
「そうしたお話はです」
「断わるか」
「まことにお友達としてです」
「わかった、ほなじゃ」
 碧もそれならと頷いて応えた。
「わらわもじゃ」
「その様にしてくれますか」
「うむ、そもそもわらわが褥を共にするのは婿殿のみ」
 碧は強い声で言った。
「手をつなぐのも接吻もじゃ」
「そうしたこともですね」
「そして子を孕み産み育てる相手もな」
「ご主人だけですか」
「他の言い寄る男はいらんけえ」 
 絶対にと言うのだった。
「全くのう」
「そうですね、貞操観念は絶対ですね」
「そうじゃ」 
 まさにというのだ。
「襲うものなら免許皆伝の古武術でじゃ」
「撃退ですか」
「わらわの古武術は実戦的でのう」
 その目を強くさせて話した。 
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