夢幻水滸伝
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第二百九十話 血脈の様に流れてその七
「女性であられる国木田様にお話するのは憚れますが」
「知っとるからええわ」
これが碧の返答だった、瑠璃子達四人も食べつつその通りだと頷いている。
「好き嫌い関係なくじゃ」
「それで、ですか」
「軍隊というか世の中におればな」
それだけでというのだ。
「こうした話は見て聞くからのう」
「だからですか」
「それでじゃ」
「こうしたお話もですか」
「確かに好きではないが」
それでもというのだ。
「いいけえ」
「そうなのですね」
「まあ夜の話になるんじゃったら」
精と言うと、というのだ。
「それなら体力にしとくけえ」
「そうされますか」
「そうじゃ、それで全軍でじゃ」
「今はお握りを食べる」
「そうするんじゃ、ええのう」
「わかりました」
将軍はあらためて頷いた、そうしてだった。
全軍にお握りと味噌汁に漬けものそして卵焼きを食べた、そしてこの日もチャールストンに向けて進軍していった。
アナポリスは今海からとだ。
上陸した海兵隊から陸、空からだった。
メルヴィルとジェーンが率いる軍に攻められていた、ホーソーンは軍を率いて守っているが。
空を覆う敵の空を飛べる兵達飛兵と呼ばれる彼等にだ。
航空機の大編隊を見てだ、忌々し気に言った。
「翼人や天使の将兵に」
「ドラゴンナイト、ペガサスナイトもいて」
「航空機もですから」
「厄介ですね」
「それも実に」
「ああ、制空権は握られていてな」
共に戦う将兵達にさらに言った。
「そしてな」
「そのうえで、ですね」
「海からも攻撃が来ていますね」
「制海権も握られています」
「そして陸からも」
「文字通り陸空海から攻められてる」
そうなっていることを話すのだった。
「今は」
「左様ですね」
「それが極めて辛いですね」
「敵軍があまりにも有利です」
「この状況は」
「数でも向こうが上で」
メルヴィル達が率いる軍の方がというのだ。
「それに加えてや」
「陸空海から攻められる」
「この状況はですね」
「非常に辛いですね」
「港はまだ守ってる」
アナポリスで最も重要な部分であると言っていいそちらを見た、軍港であり多くの艦艇が停泊しているが。
そちらでも攻防が繰り広げられている、ジェーンが海兵隊を率いてそこに来ていて戦っているがその彼等にだ。
ホーソーンは精鋭を向けていた、そして戦わせていたが。
「何とかな」
「まさにそうですね」
「何とかですね」
「そういった状況ですね」
「港を占領されたら」
その時はというのだ。
「かなりまずいわ」
「左様ですね」
「我々にとって」
「実に」
「ああ、しかしな」
それでもというのだ。
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