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夢幻水滸伝

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第二百八十七話 二つの切り札その七

「今度は」
「なっ、潜水艦ですか」
「敵軍はそちらも実用化していますか」
「既にそうしていてですか」
「この度の戦にも用いていますか」
「そやろな、空母と艦載機だけやなくてな」
 それと共にというのだ。
「潜水艦もや」
「実用化していて」
「そうしてですか」
「今ここで、ですか」
「仕掛けてきましたか」
「ああ、艦載機にも驚いたが」
 それだけでなくというのだ。
「潜水艦もか」
「何とか発見出来ましたが」
「潜水艦の位置は」
「四隻程います」
「どうしますか」
「今から敵の航空戦力が来る」
 ホーソーンは苦い顔のまま言った。
「潜水艦には警戒するがそっちの数が多い」
「だからですか」
「対空戦ですか」
「そちらを優先させますか」
「潜水艦には警戒に止め」
「攻撃はしないですか」
「ここで対潜戦に力を向けたら」
 その場合どうなるかもだ、ホーソーンは読み切って話した。自軍が今置かれた状況を正確に把握してこそのことだ。
「そうしたら敵の航空機達にや」
「付け込まれる」
「そうなりますか」
「この度は」
「そやからな」
 ここはというのだ。
「潜水艦には警戒で今は積極的に攻撃せんで」
「対空戦ですね」
「それに専念しますね」
「そうしますね」
「そや、それで凌ぐんや」
 こう命じてだった。
 ホーソーンは自身が率いる艦隊に対空戦を専念させた。
 高角砲や対空機銃が火を噴く、しかし。
 潜水艦の攻撃を受けて既に損害が出ている艦艇が数隻あり今も潜水艦に警戒をしつつ想定以上に数の多い航空戦力に対していたのでだった。
 思う様にならなかった、しかもだった。
「いいか、メルヴィル様の言われる通りにだ」
「はい、ロケット弾を用いてですね」
「遠距離から攻撃ですね」
「それを行いますね」
「そうだ、そうしてだ」
 指揮官は自身の乗機から部下達に貝殻で話した、見れば通信機もある。
「敵の対空兵器の間合いにはな」
「入らないことですね」
「そうですね」
「弾幕には」
「そうしろ、高角砲は来るがな」 
 こちらの攻撃はというのだ。
「機銃より遥かに射程が長いだけにな」
「そうですね」
「だからですね」
「そちらは来ますね」
「だが機銃の攻撃も受けるとな」
 高角砲のそれだけでなくというのだ。
「余計に厄介だ、だからな」
「その為のロケット弾ですね」
「メルヴィル様はそれを装填して攻撃する様に言われましたね」
「そうですね」
「そうだ、ロケット弾での攻撃に専念しろ」 
 こう命じるのだった。
「いいな、決して近寄るな」
「わかりました」
「ではロケット弾での攻撃に専念します」
「我々は」
「そうしろ、水軍の方もまずは魚雷攻撃だ」 
 それを行うというのだ。 
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