| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

夢幻水滸伝

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二百八十七話 二つの切り札その六

 ホーソーンはその報告を受けてだ、即座に言った。
「来たか、ほなな」
「対空防御ですね」
「それに入りますね」
「そうするんや」
 是非にというのだ。
「高角砲用意、そしてな」
「対空機関銃もですね」
「用意ですね」
「そうするんや、そしてや」
 そのうえでというのだ。
「敵の空軍を防ぐんや、ええな」
「わかりました、では」
「それに入ります」
「ああ、そうするで」
 こう話してだった。
 ホーソーンは全軍に守りを固めさせた、そうしてだった。
 そのうえでメルヴィルが率いる敵艦隊も待ったが。
 ここでだ、その報告を聞いて彼もいささか動揺を見せた。
「何っ、メルヴィルさんの艦隊の方からもか」
「はい、航空機が来ています」
「それもかなりの数が」
「そうしてきています」
「艦載機か」
 その報告を聞いてだ、ホーソーンは思わず舌打ちした。そのうえで言った。
「それか」
「まさか、もう実用化しているのですか」
「メルヴィル様の勢力は」
「そうなのですか」
「まだ先でな」 
 艦載機の実用化はというのだ。
「この戦では投入されへんと思ったが」
「それをですか」
「メルヴィル様は実用化されていたのですか」
「既に」
「そや、航空母艦を実用化させて」
 まずは艦艇をというのだ。
「そしてな」
「艦載機もですか」
「実用化させ」
「運用していましたか」
「あっちにはボームさんがおる」
 彼がというのだ。
「あの人がおられるからな」
「技術革新が進み」
「それで、ですか」
「運用が実現しましたか」
「そうや、既にな」
 今の時点でというのだ。
「そうなったんや、空母も艦載機もあるってな」
「確認されていましたね」
「このことは」
「左様でしたね」
「しかしそれが速かった」
 想定よりもというのだ。
「そしてな」
「それで、ですね」
「敵の航空戦力は」
「倍にはなってるな」
 ホーソーンはその数を観て言った。
「ほんまに」
「これは辛いですね」
「倍になりますと」
「対処しきれるか」
「ああ、難儀なことになったな」
 艦橋にいる者達に苦い顔で話した、だが対空戦の準備を整えさせた。そうして今から戦おうとしたが。
 数隻の艦艇がいきなり爆発を起こした、ホーソーンが率いる艦隊の将兵達はそれを見て瞬時に浮足立った。
「な、何だ!?」
「何があった!?」
「巡洋艦インディアナポリスが爆発したぞ!」
「駆逐艦オコナーもだ!」
「他にも損害を受けた艦が出ているぞ!」
「これは一体!?」
「潜水艦か」
 ホーソーンはここでも言った。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧