夢幻水滸伝
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第二百八十六話 ペンシルバニア州侵攻その十五
「こっちの世界でもじゃ」
「しっかりとですか」
「召し上がられますか」
「お食事を」
「しっかり食ってしっかり働いてじゃ」
碧はデザートの苺や林檎も見つつ話した。
「そして夜もじゃ」
「そこで夜ですか」
「夜のお話ですか」
「それをされますか」
「式を挙げて初夜を迎えたらのう」
その時はというのだ。
「励まねばならんからのう」
「ですからそれはです」
「お話されることはです」
「どうにもです」
「引くか、しかしのう」
今度はパンにバターをたっぷりと塗りながら話した。
「初夜のことを考えるとじゃ」
「食が進まれますか」
「そして初夜の時は」
「その時はですか」
「わらわは常に食って養った体力と学んだ技でな」
どういった技かは言うまでもなかった。
「婿殿と励むのじゃ」
「そ、そうですか」
「そうされますか」
「結婚されますと」
「その夜は」
「そうするけえ、そして今はな」
好色をそのまま出した様な笑顔を普通のものに戻してからまた話した。
「戦の為にじゃ」
「それで、ですね」
「召し上がられますね」
「そうされますね」
「そうするけえ」
こう言ってそうしてだった。
碧はパンも食べ二枚目のステーキもシチューも平らげるとだった。
デザートも楽しんだ、そして共に食べる兵達に告げた。
「整備と補給が終わり次第追撃そして進軍の再開じゃ」
「了解です」
「では今はです」
「食べさせてもらいます」
「そうするんじゃ」
こう言ってだった。
碧はこの日はじっくりと寝た、そして整備と補給が終わると瑠璃子達四人と共に陣頭に立って追撃と進撃を指揮するのだった。
第二百八十六話 完
2022・12・15
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