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夢幻水滸伝

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第二百八十六話 ペンシルバニア州侵攻その六

「流石動きが速いわ」
「それでどうされますか」
「もう決まってる」 
 返事は一言だった。
「このままじゃ」
「エリーにですか」
「明日には着くけえ」
 だからだというのだ。
「そしてじゃ」
「攻撃を開始されますか」
「エリーはペンシルバニア州西の玄関口じゃ」
 そうした街だというのだ。
「五大湖、エリー湖の港でな」
「あの街を抑えると」
「バファローから水路からも補給を得られるしのう」
「戦略上有利になりますね」
「そしてそこからじゃ」
 そのエリーからというのだ。
「ピッツバーグにな」
「進軍されますか」
「その拠点にもなるけえ」
「だからですか」
「最初の戦をな」 
 それをというのだ。
「行う」
「そうですか」
「ああ、それでまずはな」
「エリーにですね」
「あそこまで進軍してじゃ」
 そうしてというのだ。
「そのうえでな」
「エリーを攻めて」
「そうして手に入れるのじゃ」
 こう言ってだった。
 碧は七万の軍勢を率いペンシルバニア州に入った、その際メルヴィル達がそうした様に航空戦力でまず敵の航空基地を攻撃し彼等の航空戦力を叩いてだった。
 国境の防衛ラインに砲撃を行って破壊し戦車と装甲車で突破したが。
 その際だ、碧は指揮を執りつつだった。
 自ら陣頭に立ち敵軍を薙ぎ倒していく、その戦いぶりは野生児という職業に相応しいものであってだった。
 それを見た味方の兵達は驚愕して言った。
「いや、凄いな」
「全くだ」
「まるで野獣だ」
「恐ろしい戦いぶりだ」
「あれが星の方か」
「圧倒的ではないか」
 こう言うのだった。
「あのお力ならな」
「まさに神にも匹敵する」
「我々なぞ足下にも及ばない」
「一騎当千、いや違う」
「お一人で一万の兵に匹敵する」
「一万以上かも知れないな」
 唖然としつつ話した、碧は片手で敵軍の戦車を軽々と持ち上げてだった。
 放り投げて敵軍にぶつけそれで敵の陣地を破壊した、そこからさらにだった。
 右手に持つ神具を突き出し衝撃波で敵兵をまとめて倒し左手から吹雪を出し多くの敵を凍らせる、そうしてだった。
 敵の陣地を崩壊させた、兵達はさらなる進撃を命じた彼女に言った。
「お見事です」
「流石は星の方です」
「まさに神の如しです」
「素晴らしいですね」
「いやいや、わらわ一人で勝てるものではないわ」
 碧は兵達に冷静な顔で応えた。 
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