夢幻水滸伝
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第二百八十六話 ペンシルバニア州侵攻その四
「ここはな」
「ああ、具体的にな」
「どう対するかやが」
「西の方は私が行こうか」
「自分がか」
「あんたはバイキングやかさいな」
彼の職業から話した。
「そやからな」
「海辺の戦の方が得意や」
ホーソーンは自分から言った、二人が今いるフィラデルフィアの司令部は敵の攻撃の報告に浮足立たんとしていた。
だがその状況も見てだ、ホーソーンはエミリーに応えた。
「ほんまな」
「そやからな」
「東は海岸部でな」
「有利に戦ってくれるさかい」
「それでやな」
「こっち任せてええやろか」
「わかったわ」
トロールのその顔を綻ばせて応えた。
「ほなな」
「そういうことでな、あと皆落ち着くんや」
エミリーはホーソーンとの話を終えると浮足立つ寸前の周りに話した。
「敵は来たが」
「あっ、こうした時こそですね」
「落ち着くことですね」
「むしろ」
「そうですね」
「そや、私等が落ち着かんとや」
全体の指揮を行う司令部がというのだ。
「どうにもならんやろ」
「左様ですね」
「その通りです」
「まさに」
「そやからな」
それ故にというのだ。
「ええな」
「わかりました」
「ではです」
「ここはコーヒーでも飲んで」
「落ち着くんや」
司令部にいる者達に告げた。
「私もそうするし」
「はい、それでは」
「これよりですね」
「まずはコーヒーを飲み」
「そのうえで」
「状況を把握するで」
こう言ってだった。
エミリーは自らホーソーンと共にコーヒーを飲んだ、司令部の他の者達もそうした。そして一杯飲んでからだった。
その後でだ、司令部の者達で状況を把握した。するとだった。
「もうペンシルバニアまでやな」
「はい、もうです」
「制空権はありません」
「ペンシルバニア周辺の航空基地も攻撃を受けました」
「そして航空機はあらかた破壊されました」
「もうこの街に何時敵が来てもおかしくないな」
空からとだ、エミリーは報告を受けて述べた。
「それやとな」
「ああ、戦局はメルヴィルさん圧倒的有利やな」
ホーソーンは強い声で言った。
「もうな」
「そうなったな」
「いきなりな」
「しかしな」
それでもとだ、エミリーはホーソーンに言葉を返した。
「私としてはな」
「わいもや、制空権を奪われてもな」
「それで終わりとはや」
「したくないな」
「戦うで」
「ああ、西の方も制空権を奪われたが」
「それやとや」
エミリーは強い声でまたホーソーンに返した。
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