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夢幻水滸伝

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第二百八十五話 好色な助っ人その十三

「初夜を共にするまでじゃ」
「無理強いはさせへんですか」
「夫婦となってからはな」
「襲われても」
「婿殿を犯してもよいであろう」
 ここでまた、だった。碧はにまあと笑って語った。その顔は好色に満ちたものだったが経験として知っているものはなかった。
「二人きりの時ならな」
「あの、犯すって」
「駄目かのう」
「赤裸々過ぎますよ」 
 ジェーンは引いて苦笑いで応えた。
「ほんまに」
「そうか」
「はい、そやからです」
「こうしたことは言わんことか」
「そのお力を悪用されないということで」
「今の話の本題じゃな」
「国木田さんはそれをされないということで」
 それでというのだ。
「ええかと」
「力を用いて得るものなぞ偽りじゃ」
 碧は腕を組んだ状態のまままた言った。
「真のものはな」
「お心で、ですね」
「得るものとじゃ」
 その様にというのだ。
「だからな」
「お声をかけて」
「そして誓い合う様にする」
「そういうことですね」
「わらわはな」
「力はどう使うか」
 メルヴィルは二人の会話も聞いてから話した。
「それがな」
「大事じゃのう」
「ほんまな」
 碧に答えた。
「それがな」
「それでじゃ」
「これからもやな」
「悪いことには使わん」
「そやな、ほなそのことを心掛けてな」
 そうしてというのだ。
「そのうえでな」
「戦をするのう」
「そうするわ」
 軍議が終わるとだった。
 碧は瑠璃子達四人と共にバファローに飛行機で向かった、そしてメルヴィルはジェーンと共に十五万の軍勢の指揮に入った。戦は間もなくはじまろうとしていた。


第二百八十五話   完


                  2022・12・8 
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