夢幻水滸伝
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第二百八十五話 好色な助っ人その十二
「わし等全員が言えるな」
「そうですね、星の人は誰もが凄い力を持っていますが」
ヴォネガットもその顔で応えた。
「ほんまにです」
「心得違いしてな」
「悪用したりしますと」
「とんでもない力になるわ」
「私達の力は神霊に匹敵しますが」
「それだけの力の使い方を誤るとな」
「まさにです」
その時はというのだ。
「邪神のものになります」
「この世界の邪神は邪神は邪神で務めがあるな」
「そうした役目であります」
邪神と言えど、というのだ。
「ラグクラフトの邪神達でさえ」
「言うなら公でやってる」
「私利私欲に基づいてではありません」
「邪神であることもな」
「しかしです」
「わし等が星のモンの力を私利私欲で使うとな」
「悪用すれば」
その私利私欲に基づいて、というのだ。
「最悪のです」
「邪神になるな」
「まさに己のしたいままのことにする」
「暴君みたいな邪神になるな」
「間違いなく」
その時はというのだ。
「ほんまに」
「そうなるさかいな」
「私達もです」
「常に心をしっかりさせんとな」
「力の使い方を誤ります」
「そういえば国木田さんもですね」
ジェーンは碧に声をかけた。
「そのお力を使って」
「婿殿を探すことはか」
「されへんですね」
「わらわはあくまで声をかけるだけじゃ」
碧はジェーンに腕を組んで確かな声で答えた。
「殿方にな」
「それで断られるとですね」
「終わりじゃ、無理強いはせん」
「左様ですね」
「力を使って強引にとはじゃ」
眉を顰めさせてだ、そのうえで話した。
「わらわは絶対にせん」
「お声をかけてですね」
「生涯の誓いを約束せんとな」
そうでなければというのだ。
「わらわはじゃ」
「それ以上はされへんですね」
「婚姻届を出して式を挙げてな」
そうしてというのだ。
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