おぢばにおかえり
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第七十二話 キャンバスライフその五十四
「それからね」
「祖霊殿ですね」
「そちらに行きましょう、しかしね」
「しかし?どうしたんですか?」
「新一君クラスメイトとは上手くいってるのね」
「いえ、嫌いだと無視しますから」
「そういうことね」
やっぱりそこは新一君でした。
「嫌いな相手は徹底して嫌うのね」
「僕の癖性分なんですよね」
「嫌いだと長池先輩に対するみたいに」
「話をしません」
「お話してもあの態度ね」
「それは誰でもです、親戚でも」
「嫌いな相手は態度に見せるのね」
隠すことなくです。
「クラスでもそうなのね」
「理由なく嫌わないですけれどね」
それでもというのです。
「嫌いな相手は相当な理由がないと嫌わないです」
「訳もなくじゃないのね」
「そうです」
「それでも長池先輩には」
もっと言えば高井先輩と佐野先輩にもです。
「物凄いわね」
「あんな人嫌われて当然ですよ」
「だからあんないい人いないわよ」
「何処がですか?あそこで人罵ったんですよね」
神殿の西の礼拝堂の方を見て私に言いました。
「階段の上から」
「そうらしいけれどね」
「あと帰りに校門で何人も連れて待ち伏せして」
「そのこともね」
そうらしいです。
「だからなのね」
「そんなことするって相当残酷ですから」
だからだというのです。
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