おぢばにおかえり
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第七十二話 キャンバスライフその五十三
「それでその人のことも知りました」
「そうなのね」
「それでサチェル=ペイジのことも」
「人は努力したらね」
「とことん凄くなれて」
「何処までもなれるのよ」
「サチェル=ペイジみたいにですね」
「二千勝とか五十九歳まで投げられたとか信じられないけれど」
それでもです。
「人間はね」
「努力したら何処までもよくなりますね」
「そうよ、それがいんねんを切ることにもなるから」
「尚更いいですね」
「だから努力していってね」
新一君を見て言いました。
「少しずつでもね」
「はい、そうしていきますね」
「宝石と一緒かしらね」
ふとこうも思いました。
「人間は」
「努力するとですか」
「最初は石でも」
それでもです。
「磨いていけばね」
「宝石になるんですね」
「それも何処までも光るね」
「宝石ですね」
「そうかしら、だからね」
「僕も努力していって」
「よくなっていってね、そして」
それにです。
「新一君のお家のいんねんも魂のいんねんもね」
「どうも僕はどっちも凄いみたいですね」
「どんないんねんでもね」
「努力して切ることですね」
「そうしてね」
「いさんでいきます」
「ええ、じゃあ教祖殿に行って」
私は新一君にあらためて言いました。
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