| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

おぢばにおかえり

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第七十二話 キャンバスライフその五十五

「それで、です」
「嫌うのね」
「はい」
 そうしているというのです。
「僕は」
「それでも嫌い過ぎよ」
「極端なところが本当に駄目ですね」
「そもそも長池先輩に悪い印象受ける?」
 新一君も何度も会っているから聞きました。
「受けてないでしょ」
「お会いしても悪い印象はないですね」
「というかいつも新一君に睨まれて言われて俯いてるわね」
「悪いことをした人はずっと言い募りますよ」
「どうせ周りにも言い回ってるんでしょ」
「あの人に気を付けろって」
「やっぱりね」
 新一君のこの癖性分もわかりました。
「どの大教会かもよね」
「言ってます、天大の三回生で宗教学部とも」
「悪いことばかり言ってるのよね」
「やってないことまで」
「あのね、事実でないことまで言うことないでしょ」
「嫌いな相手には徹底的にやっちゃうんで」
「そこまでしたら怨まれるわよ」
 その嫌いな相手にです。
「流石に」
「嫌いな相手でもしたら駄目ですね」
「そこまではね。それでも先輩から悪い印象受けてないのよね」
「僕自身は」
「だったらいいじゃない」
 新一君自身に何もないならです。
「そこまで嫌う理由がわからないわ」
「校門でわざわざ待ち伏せして言ったりゴミを渡したりする人達誰が好きになるんですか」
「それは確かに酷いことだけれど」
 それでもです。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧