夢幻水滸伝
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第二百八十四話 アメリカの北端からその十五
「この度は」
「左様ですか」
「ではです」
「我々の考えを述べさせてもらいます」
三人、市長と牧師とシスターはそれぞれ答えた、その答えはというと。まずは市長がヴォネガットに述べた。
「私からで宜しいでしょうか」
「はい、どうなのでしょうか」
「メルヴィル様は星の方でも最も戦に長けた神星の六将星のお一人で」
「お強いですね」
「あの方だけでなく勢力の軍勢も」
彼等もというのだ。
「精強で装備もいいので」
「勝てへんですね、戦っても」
「それならあの方と共に行かれるべきかと」
「次は私です」
牧師が言ってきた。
「私は民が苦しまないことをです」
「望まれますか」
「はい」
こうヴォネガットに答えた。
「私としては」
「そうなのですね」
「はい、ですから」
それでというのだ。
「その選択をされて下さい」
「わかりました」
「最後は私ですね」
シスターも言ってきた。
「では言わせて頂きます」
「お願いします」
「私はメルヴィル様と力を合わせて」
彼の仲間になりというのだ。
「そして共に世界を救って欲しいです」
「この世界をですか」
「そうです」
まさにというのだ。
「そう考えています」
「そうなのですね」
「この世界を襲うという危機が何かまだわかりませんが」
「それでもですか」
「はい、しかし」
それでもというのだ。
「その危機に迎えて世界を救えるのは星の方だけと聞いています」
「世界を救うには全ての星の人が力を合わせないと出来ない」
「その様に思いますので」
シスターとしてはというのだ。
「ですから」
「メルヴィルさんとですか」
「共に歩まれて下さい」
「そうですか」
「はい、私はそう考えています」
「皆さんは私にメルヴィルさんとの衝突を望まず」
三人の意見を聞いてだ、ヴォネガットは述べた。
「共に歩くことを望まれますね」
「その通りです」
「この度はそうされて下さい」
「ヴォネガット様も元々そうしたお考えの様ですし」
「そうです、私も衝突を望んでいませんし」
ヴォネガットは自分の考えも述べた。
「ほな」
「それではですね」
「これよりですね」
「メルヴィル様にですね」
「その考えをお伝えします」
こうしてだった、ヴォネガットは自分がどうするかを決めた。それでメルヴィルに対して使者を送ろうとしたが。
メルヴィルの方から彼のところに使者が来た、そうして彼の言葉に頷きそのうえで彼の勢力に入ったのだった。
第二百八十四話 完
2022・12・1
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