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夢幻水滸伝

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第二百八十四話 アメリカの北端からその十四

「どの方ともです」
「衝突を望まれませんね」
「左様ですね」
「ヴォネガット様としては」
「はい」
 その考えだというのだ。
「やはり」
「ではですね」
「衝突を望まれないなら」
「そうであるのなら」
「同盟か、いや」
 ここでヴォネガットはある考えを持った、しかし。
 一旦その考えは保留してだ、官吏達に述べた。
「信頼出来る方々と会議を開きたいです」
「そうされるのですか」
「これより」
「はい、そして」 
 そのうえでというのだ。
「決めたいです、ではその方々に来て頂き」
「そうしてですか」
「そのうえで、ですか」
「お話をします」 
 こう言ってだった。
 ヴォネガットは牧師とシスターそれにオーガスタの市長に来てもらった。三人共彼がこの世界に来てから何かと助けてもらい信頼している者達だ。
 その彼等に市庁舎の会議室に集まってもらってだ、ヴォネガットは話した。
「実はメルヴィルさんの勢力への参加をです」
「お考えですか」
「そうなのですか」
「今後は」
「間もなくメルヴィルさんの勢力と境を接します」
 そうなることを言うのだった。
「そうなればです」
「衝突も懸念されますね」
「その場合は」
「武力によるそれを」
「私はそれを望みませんし私一人ではです」
 ヴォネガットはグレープジュースを飲みつつ三人に話した、三人の前にもそれぞれジュースやコーヒーが置かれている。
「実は限界を感じています」
「これ以上のことはですか」
「出来ないですか」
「そうお考えですか」
「そうも感じてきましたので」
 このこともあってというのだ。
「今後はです」
「メルヴィル様とですか」
「共にことを進める」
「そのことをお考えですか」
「真剣にです」
 このことはヴォネガットの目にも出ていた、そして表情にも。
「考えていますので」
「だからですか」
「ここはですか」
「そうされますか」
「はい、私から申し出て」
 そのうえでというのだ。
「そうしようかと」
「衝突の前にですか」
「そうされてですか」
「共にですか」
「そうなれば二つの州の誰もがです」
 メーン州そしてニューハンプシャー州のというのだ。
「衝突による戦禍も被りませんね」
「はい、確かに」
「そうなればです」
「誰もが難を避けられます」
「ですから」
 それ故にというのだ。
「ここはです」
「そうされますか」
「それで私達にですね」
「意見を求める為にですね」
「集まってもらいました」
 その会議を行う為にというのだ。 
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