| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

夢幻水滸伝

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二百八十四話 アメリカの北端からその十三

「思うことですが」
「そうなのですか」
「はい、実は」
 こう言うのだった。
「そうなのです」
「そうなのですか」
「気付かれずとも」
 周りにというのだ。
「自分ではです」
「おわかりですか」
「自分に嘘を吐ける人もいるそうですが」
 人の中にはというのだ。
「私は違うので」
「だからですか」
「自分ではです」
「失敗したことをですか」
「自覚しています」
 急いで焦ってというのだ。
「そうなのです」
「それで今もですか」
「言っています」
 そうしているというのだ。
「この様に」
「左様ですか」
「ですから」
「勢力拡大もですね」
「慎重にです」
 徐々にというのだ。
「進めていきます」
「そうですか」
「はい」 
 こう言うのだった。
「そして統治をです」
「優先しますか」
「私の能力よりも上のことはです」
「出来ませんか」
「それも見極めて」 
 そのうえでというのだ。
「ことをです」
「進めていかれますか」
「そうします」
 こう言ってだった。
 ヴォネガットはニューハンプシャー州の街や村で自分の勢力に入ろうとするところを受け入れていった。
 そうして勢力圏を拡大していったが。
 また問題が生じた、その問題はというと。
「大変です、ニューヨーク州のメルヴィル様がです」
「ニューハンプシャー州にも勢力を拡大してきました」
「このままでは我々と境を接します」
「そうなります」
「そうですね」
 実際にとだ、ヴォネガットも自身の執務室で報告する官吏達に答えた。
「このままでは」
「どうされますか」
「境を接するとです」
「やはり衝突が懸念されます」
「それが生じることが」
「そうです、そうなれば」
 衝突が起こればとだ、ヴォネガットは述べた。
「多くの犠牲が出ますね」
「民や将兵に」
「そうなりますね」
「そしてそのことがですね」
「ヴォネガット様としてはですね」
「心配です」
 これが彼が懸念していることだった。
「そうですさかい」
「衝突は望みませんね」
「そうなることは」
「ではどうされますか」
「今後は」
「はい、私はメルヴィル様だけでなく」
 ニューヨーク州を中心とした勢力を治める星の者である彼だけでなくというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧