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夢幻水滸伝

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第二百八十四話 アメリカの北端からその十一

「信者の人達は他のです」
「正しい教えにですか」
「入るでしょう」
「そうなりますか」
「それで教団は終わりです、そしてメーン州もですね」
「統一されました」
 そうなったとだ、市長はこのことを再び話した。
「フォークケントが降ったことにより」
「教団の拠点であった街が」
「そうなったので」
 だからだというのだ。
「それが成りました」
「それでは今後は」
「メーン州の統治にですね」
「専念しましょう」
 こう言ってだった。
 ヴォネガットは教団の事後処理を済ませるとオーガスタに戻りメーン州全体の統治に専念することにした、だが。
 暫くするとだ、彼にこんな話が来たのだった。
「ニューハンプシャー州ですか」
「はい、あの州のです」
 報告をする若い男の恋人の官吏が述べた。
「州境の街や村がです」
「私の勢力にですか」
「加わりたいとです」
 その様にというのだ。
「申し出ています」
「そうなのですか」
「どうされますか」
 官吏は自身の机で書類仕事をしているヴォネガットに問うた。
「一体」
「来る者は拒まずなので」
 それでとだ、ヴォネガットは官吏に答えた。
「私の考えは」
「そうですか、では」
「はい、返事はです」
「受け入れるですね」
「そうです、そして」
 ヴォネガットはさらに話した。
「ニューハンプシャー州にもです」
「勢力を拡大させますか」
「そうしましょう、ですが」
 ヴォネガットは考える顔になりこうも言った。
「まさか他の州に勢力を及ぼすとは」
「思われませんでしたか」
「はい」
 そうだったというのだ。
「とても」
「そうだったのですね」
「ですがそれが」
「この度ですね」
「そうなるのですね」
「想像もです」
 それこそという返事だった。
「思いませんでした」
「そうでしたか」
「ですが」
「それでもですね」
「来るものは拒まずですので」
 この考えだからだというのだ。
「私はこれよりです」
「ニューハンプシャー州にもですね」
「勢力を拡大させて」
 そうしてというのだ。
「治めていきます」
「そうされますか」
「はい、そしてです」
 官吏にさらに言った。
「あの州は星の人がいませんね」
「そうです」
 官吏もすぐに答えた。
「あの州は」
「それで街や村に分かれ」
「それぞれで統治している状況です」
「私が旗揚げするまでのこの州と同じですね」
「状況は」
「それではです」
 ヴォネガットはその状況を確認して述べた、その目は自然と強い光を放つものになっていて考える顔になっている。 
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