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夢幻水滸伝

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第二百八十四話 アメリカの北端からその十

「私は考えています、ですから」
「この度はですね」
「まずは説得を試みますが」
「その過激さは認めない」
「融和を選んでもらいますね」
「暴力を捨てないのなら」
 教団がというのだ。
「仕方ありません」
「武力で応えますね」
「どうしてもというのなら」
「暴力を放置しては世はまとまりません」
 決してというのだ。
「ですから」
「それで、ですね」
「使者を送り」
「それで駄目なら」
「その時は」
「戦です、では使者は私が行きましょう」
 ヴォネガット自らがというのだ。
「それで説得を試みます」
「ヴォネガット様がですか」
「ご自身で」
「はい、暴力と他人を認めないことが何故間違っているかを」 
 まさにこのことをというのだ。
「お話します、では」
「行かれますね」
「あの街に」
「そうします」
 こう言ってだった。
 ヴォネガットは自らフォートケントに赴いた、護衛や共に行く者達も連れてだったが彼は自らそうした。
 そしてあからさまに敵意を向けてきている者達にだ。
 宗教の本来の在り方にだった。
 暴力や不寛容の誤りを話した、そして特に。
 教団の教祖、おかしな目をした小人の老人の実態既に聞いていて調べ事実を掴んでいた信者に禁欲を強いておきながら自身は乱倫と贅沢それに蓄財に溺れたそれを信者達に話すとだった。
 信者達は一気に覚めた、そうして教団は忽ち大人しくなり。
 教祖についてはだ、ヴォネガットは周りに話した。
「彼は法的に多くの罪を犯しています」
「テロ等ですね」
「そうです、そこには殺人や傷害それにです」
 ヴォネガットは共にいたオーガスタの市長に話した。
「詐欺もあります、全ての罪は明らかですし」
「逮捕してですね」
「裁判にかけましょう」
「そうしますね」
「そして判決を下してもらい」
 裁判所にというのだ。
「罪を償わせます」
「そうしますね」
「そうです、暴力にはです」 
 ヴォネガットは市長にも話した。
「武力そしてです」
「法ですね」
「そういったもので対し」
 そしてというのだ。
「収めます、これでです」
「教団の問題は解決しましたね」
「そして州は統一されました」
 メーン州はというのだ。
「遂に」
「そうですね、教団はカリスマだった教祖の実態が明らかになり」
「急激に力を失い」
「解散しますね」
「それは時間の問題ですね」
「まやかしから目が覚めたのです」
 教団の信者達はというのだ。
「後はです」
「教団は解散し」
「そしてです」 
 そのうえでというのだ。 
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