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夢幻水滸伝

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第二百八十四話 アメリカの北端からその九

「その暴挙を」
「では州の統一と勢力圏においての政をですね」
「このまま進めます、来る者は拒まずで」
 この考えでというのだ。
「入って来る人々は受け入れて」
「そうしていき」
「また他の街や村も」
 自分達から降ると言わない彼等にはというと。
「使者をです」
「送って」
「そしてです」
 そのうえでというのだ。
「勢力を拡大していきます」
「そうですか、では」
「このまま動いていきましょう」 
 こう言ってだった。
 ヴォネガットは降らない街や村には使者を送って勢力圏に入る様に勧めることも行い州の治安をよくし産業も充実させてだった。
 教育や交通の政策も行ってだった。
 文字通りの善政を行い信仰の自由とその保証も法で定め教団の暴挙も止めていった、そうしていくとだった。
 メーン州での彼の評判はさらに高まり。
 忽ちのうちに州の殆どを掌握する様になったが。
「フォートケントだけはですね」
「はい、あの街はあの教団の拠点で」
「完全に独立勢力になっていますので」
 ヴォネガットに彼がこの世界に来て最初に世話になった教会の牧師とシスターが応えた、、二人は教会にいつつも彼の相談役にもなっているのだ。
「ですから」
「中々です」
「あの街だけはです」
「ヴォネガット様に従いません」
「ましてあの教団はヴォネガット様に行動を邪魔されたと思い」
「それぞれの街や村から退きです」
「あの街に集まっていますね」
 州の最北端にあるその街にとだ、ヴォネガットも述べた。
「そうですね」
「はい、ですから」
「あの街だけはです」
「ヴォネガット様に逆らい」
「対しています
「そうですね、ですが私は対立は望みません」
 ヴォネガットは二人に話した、今彼は夜に二人と一緒に食べながら話している。チキングリルにシーフードサラダに茄子とベーコンとトマトのスパゲティといったメニューだ。酒は赤ワインである。
「出来るならです」
「教団も暴力行為を止め」
「他の宗教壇台との融和に転換するなら」
「それならですね
「ヴォネガット様はいいですね」
「はい」
 彼等がその考えになればというのだ。
「それで、です」
「構わないですね」
「そうなれば」
「そうです、ですから説得をです」
 これをというのだ。
「行いましょう」
「そうされますね」
「フォートケントに対して」
「そうします、私自身が赴き」
 フォートケントにというのだ。
「そうしてです」
「そのうえで、ですか」
「説得されますか」
「そうします、神の教えは争うことでなく」 
 赤ワインを飲みつつ二人に話した。
「人を認めです」
「そうしてですね」
「共に穏やかに暮らすことですね」
「節度と倫理を持つことが」
 こう言うのだった。
「大事であり」
「あの教団の様に争うものではない」
「他の教えを認めず」
「それは間違っていますね」
「テロや戦を行うなぞ」
「そうだとです」
 その様にというのだ。 
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