夢幻水滸伝
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第二百八十四話 アメリカの北端からその四
「あの宗派についてどうかされることも」
「そのこともですね」
「神のご意志、この教会におられることになったことも」
「全ては神のご意志ですか」
「はい、まことに。では」
「私が働いてもですね」
「是非働かれて下さい」
穏やかで慎んだ声で応えてだった。
牧師はヴォネガットの申し出を受けたうえで教会にいてもらうことにした、ヴォネガットは積極的に教会の仕事をしつつだった。
その宗派についての話を二人だけでなく教会がある村の人達からも聞いた、それと同時にメーン州全体の話も聞き。
そのうえでだ、教会に入って十日程経ってから牧師とシスターに朝の礼拝の後で確かな顔になって話した。
「まずは州を統治者として掌握しようかと」
「そしてですか」
「そのお力で、ですか」
「はい」
まさにというのだ。
「宗派に対します」
「あの宗派にですか」
「そうお考えですか」
「そうです」
こう二人に話した。
「この度は」
「そうですか、それでは」
「これよりですね」
「宗派を調べますと」
問題の彼等をというのだ。
「暴力さえ持っていますね」
「だから余計に危険なのです」
シスターが答えた。
「マフィアまで従え」
「信仰によってですね」
「そうもしていて山賊や海賊さえです」
「そうしていて」
「暴力も持っていますので」
その為にというのだ。
「尚更危険です」
「教えだけなく」
「左様です」
「暴力まで持っていますと」
ヴォネガットはそれならと話した。
「ただ説得ではです」
「無理ですか」
「そうも考えますので」
だからだというのだ。
「ここはです」
「州の統一ですか」
「まずそれを行い」
そうしてというのだ。
「そのうえで、です」
「ことを進められますか」
「そうしようと考えています」
こうシスターに話した。
「ですからこれよりです」
「州の統一にですか」
「かかろうと考えています」
「そうですか」
「どうでしょうか」
「はい、どうしてもです」
シスターはヴォネガットに深刻な顔で答えた。
「あの宗派は極めて過激な思想ですが」
「信者の人の数は多く」
「それ故に資金力もあり」
「それで、ですね」
「武器まで備え」
「暴力も持ち」
「かなりの勢力を持っているので」
だからだというのだ。
「生半可な力ではです」
「対抗出来ないですか」
「ですから」
「それで、ですね」
「どうしてもです」
「あの宗派に対抗して」
「そして彼等の問題を解決するには」
その様にしたいならというのだ。
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